フェアリーテイル夢小説

□死神は二度笑う
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 エルザが急いで魔導四輪を走らせる。
 駅近くになると、駅の方がざわざわしている。
「あいつら・・・列車を乗っ取ったの!?」
 ルーシィが窓から身を乗り出して駅の様子を見て言う。
「馬車とか船とかならわかるけど列車って・・・」
「あい・・・レールの上しか走れないし、奪ってもそれほどのメリットはないよね」
 ルーシィとハッピーが考える。
「ただしスピードはある。なにかをしでかす為に奴等は急がざるを得ないということか?」
 魔導四輪の上で服を脱ぎながらグレイが言う。
「なぜ脱ぐ?」
 ルーシィが突っ込む。
「グレイの言う通り、確かにスピードはある。列車にしかないメリットを生かしての計画と言うことか」
 カンナも推測する。
「もう軍隊も動いてるし、捕まるのは時間の問題なんじゃない?」
 ルーシィがそう言うが、エルザとカンナは厳しい表情をしている。
「だと良いんだがな・・・」
 エルザが運転しながら呟く。
「集団呪殺・・・人がたくさん死ぬかもしれないなんて・・・」
 カンナがまた怯えたように手をギュッと握り締めて言。
「ねぇ、ハッピー。カンナなんか怯えてない?」
 ルーシィがこそっとハッピーに聞く。
「あい、カンナは昔から人の死が絡むとこうなるんだ」
「そうなんだ・・・」
 ルーシィはカンナを見る。
 カンナは明らかに焦っている。さっきから落ち着きがない。
 その時、魔導四輪の速度が上がっていくのを感じた。
「エルザ!!とばしすぎだぞ!!SEプラグが膨張してんじゃねーか」
 グレイが屋根から落ちそうになりながら叫ぶ。
「あの笛が吹かれれば大勢の人が死ぬ・・・。音色を聞いただけで人の命が消えてしまうんだぞ」
「わかってっけど奴等の目的もはっきりしねえし・・・一戦交える可能性もある。そんなにスピード出したらいざって時にお前の魔力が枯渇しちまうぞ」
 エルザを心配してか、グレイが言う。しかしエルザは
「構わん。いよいよとなれば棒切れでも持って戦うさ。それにお前たちがいるしな」
 みんなを信頼してエルザは言った。
 それを聞いていたカンナも
「絶対・・・誰も死なせない」
 と、誰にも聞こえないような声で呟いた。
 一方で、ルーシィとハッピーが
「なんかルーシィに言うことあった気がする。忘れたけど」
「何?」
「だから忘れたんだって」
「気になるじゃない思い出しなさいよ」
「う〜ん・・・」
 と、いう会話をしている。
「キモチ・・・悪・・・」
 一方ではナツが乗り物よいをしている。
「キモ・・・チ・・・ワ・・・ル・・・!!」
 ナツが言った言葉を繰り返して呟いたハッピーがそれだ!!というように反応してルーシィを指差した。
「それかい!!」
 突っ込むルーシィ。
「クスッ」
 見るとカンナが笑っていた。
「ハッピーはルーシィが気持ち悪いって言いたかったの?」
 カンナが笑いながら聞く。
「あい、たぶん。でも違うような・・・」
「どっちよ!?」
 また突っ込むルーシィ。
 だが、ルーシィもハッピーもカンナが笑ったことに安心した。
 そんな感じで和んでいるとオシバナ駅の駅舎が見えてきた。
「なんだあれは・・・」
 エルザが駅を見て言った。
 オシバナ駅は人がごった返している。
 一同は駅の中に乗り込んだ。
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