フェアリーテイル夢小説

□帰って来た女二人
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 魔導士ギルドフェアリーテイル。いつもと変わらず賑やかなギルド内。
 最近入ってきたばかりの新人魔導士ルーシィが先ほどからリクエストボードを眺めている。
「早く仕事選べよ」
 ナツがルーシィに言う。
「冗談!!チームなんて解消に決まってるでしょ」
 怒り気味でルーシィが言う。
 先日ルーシィはナツと仕事に行ってきたばかりである。だが、その時はナツに良いように使われただけだったらしい。その事を根に持っているのだろう。ナツもナツで否定はしていない・・・。
「大変だ!!!」
 突然ロキが駆け込んできた。みんなは何事かと思いロキの方を見る。
「エルザとカンナが帰って来た!!」
「「「ええー!!」」」
 みんなが一斉に叫び出す。
 するとズシィンズシィンという大きな音が近づいてきた。音が近づく度にみんなは焦った顔になっていく。
 ギルドの入口を見ると女性二人が立っていた。
「今戻った。マスターはおられるか?」
 綺麗な緋色の髪の美しい女性が言った。
「お帰り!マスターは定例会よ」
 ミラジェーンが答える。
「ただいま。途中でエルザと会ったから一緒に帰って来たわ」
 隣にいる銀髪のこれまた美人が言う。
「お帰り。お疲れ様」
 ミラ以外のみんなが何故かビビっている中、ルーシィは二人に見とれている。緋色の髪の人はキリッとした美人。銀髪の人はミラとかとはまた違ったタイプの美人。凛とした雰囲気を見に纏っている。
「綺麗な人たち・・・」
「あい!鎧を着てる方がエルザ。銀髪で腰に刀を持ってる人がカンナだよ」
 ハッピーが説明してくれた。
「エルザさん・・・そのバカでかいの何ですかい?」
 見るとエルザの横には角らしき物体が置いてあった。それも相当でかい。
「討伐した魔物の角に地元の者が飾りをほどこしてくれてな。綺麗だったのでここへの土産にしようと思ってな・・・迷惑か?」
「いえ!滅相もない!!」
 あんなでかい角を持った魔物を討伐したのかとみんなは唖然としている。
「それよりお前たち、また問題ばかり起こしてるようだな。マスターが許しても私は許さんぞ」
 エルザが言った。するとエルザは次々とみんなの行動を指摘し、挙げ句の果て
「今日のところは何も言わずにおいてやろう」
 とか言った。
(ずいぶんいろいろ言ってたような・・・)
 みんなが落ち込んでいるのを見てルーシィが思う。
「まぁ、良いじゃない。みんなも反省してるし」
 カンナが優しく言う。
「全くカンナ、お前は優しすぎる。ところでナツとグレイはいるか?」
「あい!」
 ハッピーが二人の方を指す。するとナツとグレイは汗ダラダラになってビビりまくっていた。
「や、やぁエルザ。俺たち・・・今日もな、仲良くやってるぜ・・・」
「あい・・・」
「ナツがハッピー見たいになった!!」
 ナツとグレイが肩を組むという奇妙な光景が見られた。
「そうか、親友なら時にはケンカもするだろう。しかし私はそうやって仲良くしてるところを見るのが好きだぞ」
 この二人が決して仲が良いわけではないというのはみんな知っている。
「ナツもグレイもエルザが怖いのよ。ナツは昔ケンカを挑んでボコボコ、グレイは裸で歩いているところ見つかってボコボコにされちゃったから」
 不思議がっているルーシィに下手くそな絵付きでミラが説明してくれた。
「相変わらずエルザの前だけでは仲が良いようで」
 カンナが半ば呆れて言う。
「そそ、そんなことないぜ!いつも・・・こ、こんな感じだ!」
 明らかな嘘である。恐らく騙されているのはエルザ一人。
「二人とも仲が良さそうでよかった。実は二人に頼みたいことがある。カンナ」
 言われたカンナは頷いて話始める。
「ちょっと厄介な話があってね。本来ならマスターに相談するとこなんだけど、なるべく早く解決した方がいいと思って」
 何事だ?とみんなは思う。
「二人の力を貸してほしい。ついてきてくれるな?」
 エルザが言った。
「「えっ!?」」
 一番驚いているのはナツとグレイだ。
「どういうこと?」
「あのエルザが・・・」
 など、みんな口々に言う。
「出発は明日だ。準備をしておけ」
「詳しくは移動中に話すから、よろしく」
 ナツとグレイは行くとは言っていないのだがエルザとカンナはその気だ。
「エルザとカンナとナツとグレイ・・・今まで想像したこともなかったけど・・・これってフェアリーテイル最強チームかも・・・」
 さすがのミラも驚いたように言う。

「む、無理だ・・・」
 エルザが居なくなった後、グレイがポツリと呟く。
「こいつと一緒ってだけでウゼェのにエルザが一緒だなんてー!!」
 グレイがナツを指差して言う。
「こんなチームあり得ねえ!!つーか行きたくねえー!!」
 ナツもグレイを指差して言う。そして、ルーシィを見て何を思ったのか一瞬で自分の服をルーシィに着せた。
「お前今からナツだ」
「無理だって」
「あい」
 無駄な抵抗をするナツ。
「まったく・・・行きたくないなら行きたくないってエルザに言えば良いのに」
 カンナがため息をついて言う。
「「言えるか!!」」
 二人は同時に言う。
「だったら、観念して着いて来な。エルザ怒らせたくないんでしょ?」
「「あい・・・」」
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