みんなと一緒に過ごした一年間

□第10Q 「人事を尽くして天命を待つ」
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黄瀬は、体育館の裏の水道で頭を洗っていた。


明菜「黄瀬君、タオル使ってください」


黄瀬「明菜ちゃん…。勝つって約束したのに、ゴメン。
カッコ悪いトコみせちゃったスね?」


明菜「そんなこと無いです。カッコ良かったですよ。今回負けたなら、次、戦う時までに、勝てるように練習すればいいんです。」


黄瀬「明菜ちゃん…」


黄瀬と明菜がそんな話をしていると、別の声が話に入ってきた。


緑間「オマエの双子座は、今日の運勢、最悪だったがまさか負けるとはな…」


黄瀬「…見に来てたんスか」


緑間「まあ…どちらが勝っても不快な試合(ゲーム)だったが。サルでもできるダンクの応酬。運命に選ばれるはずもない。」


黄瀬「帝光以来っスね。久しぶりっス。…指のテーピングも相変わらずっスね。
…つか、ダンクでもなんでもいーじゃないスか入れば」


緑間「だから、オマエはダメなのだよ。近くからは入れて当然。シュートはより遠くから決めてこそ、価値があるのだ。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉を習わなかったか?
まず、最善の努力。そこから初めて運命に選ばれる資格を得るのだよ。オレは人事を尽くしている。
そして、おは朝占いのラッキーアイテムは必ず身に着けている。ちなみに、今日はカエルのおもちゃだ。だから、オレのシュートは落ちん」



黄瀬「毎回、思うんスけど…
最後の意味分からん!!(これが『キセキの世代』No.1シューター)
つーか、オレより黒子っちと話さなくていいんスか?」


緑間「必要ない。B型のオレとA型の黒子(アイツ)は相性が最悪なのだよ。
アイツのスタイルは認めているし、むしろ尊敬すらしている。だが、誠凛などという無名の新設高に行ったのは頂けない。学校選びも尽くせる人事なのに、あんな学校で勝とうとしているのが運命は自ら切り開くとでも言いたげで気に食わん。
ただ…地区予選であたるので気まぐれで来てみたが、正直、話にならんな。」


高尾「テメー、渋滞で捕まったら1人で先行きやがって…、オレと未奈ちゃん置いてくなよ!!なんか超、ハズカシかっただろうが!!」


未奈「何で、私達置いていったのよー!高尾君と二人どうすればいいのか分かんなかったんだから!!」


緑間「まあ、今日は試合を見に来ただけだ。
…だが、先に謝っておくよ。
秀徳高校(オレたち)が誠凛に負けるという運命はあり得ない。残念だが、リベンジは諦めた方がいい」
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