短編
□Dear…
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『Dear…』
“一護と織姫がつき合ってる”
仲良いのは知ってた。
「織姫ー、今日、一護と帰るんでしょ?」
「う、うんっ!」
たつきの声に緊張気味の織姫が返事をする。
チクリ、心臓が痛む。
何回目だろう。そろそろ慣れなきゃいけないのに。
「奏」
「…………一護」
「最近、元気ねーけど何かあったのか?」
さっきまでとは裏腹にトクンと高鳴る心臓。忙しいもんだ。
そのさりげない優しさがその原因なのに。
無意識なんだもん。
「無自覚もここまでくると凶器だよね」
「は?どーゆーことだよ?」
「何でもないよ、それに元気ないこともないから。…ほら、織姫待ってるんじゃない?早く行ってあげなよ」
「……おぅ。ま、何かあったら言えよ?じゃーな」
ちょっと不服そうな顔をして一護は織姫のところに向かった。
気なんてないくせに、心配なんかすんなっつーの…。
「はぁー…」
深いため息をこぼし、机に寝そべった。
一体何分そうしてたのか。
気づけば外は真っ暗だった。
「…………」
あたし、暗いの苦手だった。ユーレイとかそーゆーのも苦手。
どーしよう。ばかだ。一人暮らしだから迎えとか呼べないし…。
頑張るしかないのかな、?