Short Story

□とある日の午後
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ここ数日曇ってばかりだった空は、今日になって雲一つ無い晴れ模様。
久々の晴天のためか、船員達は楽しそうに甲板で走り回っている。

ルフィとチョッパーの笑い声が騒がしい。というか、うるさい。
でも、たまには楽しそうな姿を見るのもいいかな、と思う。

最近晴れの日が無くてお子様連中(特にルフィ)はテンションが低かったから、天気が良くて騒ぐのくらいは許してあげようと思う。
私だって久々の良い天気で気分もいい事だし。


そうよ。せっかく良い天気なんだから、少しくらいのんびりしても罰は当たらないはず。
なのに、どうしてあの人はああなのかしら。


「おらよ」


無愛想に飲み物の入ったグラスを差し出す金髪の男。
それを同じく無愛想に受け取る寝起きの緑頭の男。


「……酒じゃねぇのかよ」
「ったく、昼間から何言ってやがる」


飲み物が酒じゃないと怒るゾロ。
昼間だから出さないと諭すサンジ君。


「あぁ?昼とか関係ねぇだろ。アホか」
「アホはてめぇだ!この寝腐れ剣士!」


二人の周りに険悪な空気が広がっていく。
二人の喧嘩は日常茶飯事だけど、久々の晴天の日にわざわざ喧嘩しなくていいと思う。しかも、あんなくだらない理由で。


「おーい!サンジ!」


喧嘩をしかけた二人を止めたのは、ウソップの声。
サンジ君はゾロを睨み付けてから、ウソップの下に向かう。
喧嘩にならなくてよかった、と思う。


「何だよ、ウソップ」
「おれにも飲み物くれ!」
「ん、ちょっと待ってろ」


サンジ君はキッチンの方へと向かって行く。
一瞬嬉しそうな顔をしたのを、私は見逃さない。

あぁ、きっと料理人としては凄く嬉しい事なんだろうな。
きっとサンジ君は人に喜んでもらえるのが嬉しいんだろうな。
だから、さっきから――。

 
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