Short Story

□時の流れに逆らって
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そう。みんななら大丈夫って言えるの。

なのに、どうして。
あいつへの心配が尽きないんだろう。

……そんなの、分かってるけど。


危険だと分かっていても、自ら危険に飛び込んでいく無茶な所。
お腹を空かせた人には、例えそれが敵であっても、料理を食べさせる所。
女の子には勿論、実は男にだって優しさを振り撒く所。
自分が傷付いたとしても、命を懸けてでも、大切なものを守ろうとする所。

そういう所があるから、私の心配は尽きない。


……なんて、そんなのただの言い訳。
本当は、あいつに会いたい。ただそれだけ。


ずっと傍にいたのに。傍にいてくれたのに。
今、私とあいつの間には越えられない距離という壁がある。

だから、私はただ祈る。
どうか、無事でいて。


2年はあっという間で、でも長く感じるけど。
私はあいつに会えるその日を目指して。
あいつを守れるくらい、強くなるから。



End.

 
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