Short Story

□言葉の重み
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案の定、彼は朝ご飯の時に物凄く心配をしていた。大丈夫だって言っても、彼は青ざめてワタワタしていて。端から見たら、彼の方が大丈夫じゃないように見えていたと思う。

その後も、彼は事ある毎に私を心配してくれた。
だけど、いつものようなバカみたいな事は一言も言わなかった。


「何で……?」


明らかに私に対する彼の態度とロビンに対するそれは変わっていた。いや、変わったのは私への態度だ。
どこかよそよそしい、気がする。

何かしたかと考えてみても、思い当たる節は無い。もやもやと考えている時間が勿体無いと思っても、思考は堂々巡りするばかり。


「あー!!もう、なんかムカつく!!」


もう考えても無駄だ。そう悟った。
こうなったら、彼に直接聞いてみるしかない。


「サンジ君!いる!?」


ダイニングを押し開けると、自分で思っていたよりも怒鳴り声に似た声が響いた。
ソファには、きょとんとした表情の彼が座っている。


「ナ、ナミさん?どうしたの?」


私の剣幕に押されてか、彼は慌てて立ち上がる。動作の一つ一つを眺めてみるけど、いつもと変わりは無いように見える。
なのに、どうして私への態度がいつもと違うんだろう。


「何で!?」
「な、何でって、何が!?」
「それくらい察しなさいよ!!」


めちゃくちゃな事を言っているという事くらい、自分でもよく分かっている。
でも、今の思考はぐちゃぐちゃで、上手く気持ちをコントロール出来ない。

 
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