Short Story

□親愛なる君へ
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君に背を向けて、海を眺める。
あんなに会いたいと思っていたのに、君を見る事すら切ないなんて。


「……ねぇ」


僅かにトーンが落ちた声。
君にはあまり似合わないな、と思う。


「あんた、前に言ったわよね?私の事を『何があっても守る』んでしょ?」


驚いて、君を見る。真っ直ぐな強い目だ。
あの約束を囁いた事、君はまだ憶えていてくれていたんだ。


「……だったら、身体は大事にしなさいよ」


気付いたら、勝手に身体が動いていた。
おれよりも小さな身体を強く抱き締める。


「ちょっ、サンジ君!?」


腕の中で騒ぐ君が愛しくて。
迷いや不安はどこかへ消えていく。
臆病な自分に、決着を着ける。

 
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