one piece (crocodile編)

□*クライくらい
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『おい…』


「な…に…??」



『泣かねぇのか』




初日にクロコダイルに見せた泣き顔。


ルシアはあれ以来クロコダイルの前で泣かない。



「もう…メソメソするのは…やめたんだ」


『…なんでだ…』



「…かっこ悪い…からな??」


自分の腕の中にいるルシアの顔をクロコダイルはのぞいてみると


『……!!』
笑ってやがる…。




ヘラッと
力なく笑うルシアの笑顔はクロコダイルの心をさらに悲しくさせるものだった。



『女は泣いたって構わねぇじゃねーか』



「そんなのいくら泣いたって…意味ねぇしな」



ルシアの言葉が全部悲しく、今クロコダイルが抱いてる女は感情や心をバラバラにされたように壊れていた。


そういうふうにクロコダイルには見えた。



『ルシア……泣け』


「……え??」


クロコダイルらしくない言葉にルシアは驚いてしまった。



『泣くときは俺の前で泣け。それ以外の場所で泣くことは許さねぇ』


「だから…泣かないっ…」


『泣け。ルシア。俺が許す』



「だ…から…泣いてないって…」
ルシアはクロコダイルに顔を向けてまた笑おうとするが


クロコダイルのいつもの顔がルシアには悲しく見えた。
だがどこか優しい顔をしているクロコダイルにルシアは涙が溢れ出てきてしまった。



「ぐす…ひっく…」


すぐ顔をうつむき
顔を隠すがそれもダメでクロコダイルに顔を上げられてしまった。



「…クロコ…」



『泣きたいんじゃねーか』


「…クロコダイルのせいだ!!!馬鹿やろう!!!」









クロコダイルの前では
嘘も我慢も出来ない。


クロコダイルには何でもお見通しなのだろう。
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