夜兎が微笑むとき
□好きだヨ
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神威が吉原から帰って来て一週間がたった。
いまだに目を覚まさない神威
夜兎じゃなければ死んでいたと
医者は言っていた
ボロボロになって七師団の船の入り口まで必死に歩いて来ていた神威
それから運ばれて、治療を受けて
あの光景を思い出すだけで涙が止まらない
一週間、あたしは神威のそばにいながら少し寝て起きてを繰り返していた。
阿伏兎さんがたまにご飯を持って来てくれるけど
食べれたのはほんの二口くらい
だから、結構痩せてしまった。
でも、そんなのどうでもよかった
早く神威が目を覚まして欲しい
願うのは
それだけだった。
こんなにも近くにいるのに
何もできない自分の無力さに
腹がたった。