舞桜
□錠剤?粉?いえ、ジェルでつるん派です
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事件はある穏やかな日に起こった。
ドゴォォンッ!!!!
『いってエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!』
沖「うわぁかっこ悪いね」
『己のせいだろうがァァァ』
こんの悪魔が悪魔が悪魔がァァァ!!
現在進行形で私の目の前に立っているのは沖田総司ことサディスト男。そして、さっきのドゴォォンッ…という音は、
『ヤッベ!!コレ絶対アザになる!!青くなる!!だってすでに真っ赤なんだもん!!』
沖「本当に桜ちゃんはおっちょこちょいだね。困っちゃうよ」
『お前が背後から私の背中を押したんだろーがァァァ!!全てアンタのせいなんだよ!!』
私は赤くなった膝やら腕やら顔面やら…つーか全身を両手でさすりながら、この世でもっとも憎らしい笑顔の持ち主の沖田さんを睨みあげた。
いってぇ…マジでいてェよ。普通いきなり背中おす?いや…押すなんて可愛いもんじゃない。
突き飛ばされた。
うん、これが正しい。まぁつまり、
『どぉー落とし前つけてくれるんだ沖田コノヤローあぁん?』
沖「のろのろ歩いてた桜ちゃんが悪いんだよ」
『別にのろのろ歩いてないし!!普通だったし!!てゆーかルンルンだったし!!すっげぇ足どり軽かったしィィイ!?』
沖「君は見かけより体重重いんだから、ルンルンなんて歩けないでしょ?」
『体重重くて悪かったなァァァ!!つーか何で見かけより体重重いってわかるんだよ!?予知!?予知能力者!?』
沖「馬鹿なこと言ってないで早く手当てしてよ。見てるこっちまで痛くなってくるじゃん」
『どぅわぁぁからぁ〜…全部テメェが現況だろうがァァァァァァァァァ!!』
何なんだ!?マジでこの人は何をしたい!?私に何を求めている!?
『だァァァッ!!もォォォォォォ!!』
沖「牛のマネ?」
『ちっげェェしっ!!』
誰がこんな状況のときに牛のマネなんかすっかよ!!あぁ〜…もう……腕と足真っ赤じゃん。うっわ!切り傷まで出来てるし!!乙女の体に傷をつけるとは…
沖田総司死すべし。
呪う……いや、こんな奴のために自分の手を汚したくはない。
『呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ』
沖「桜ちゃんが?自分で自分を呪われろなんて言うなんて……もしかして桜ちゃんて馬鹿?」
『…主語を言わなかった私が悪かった。月ノ瀬桜は沖田総司が誰かに呪われることを心より願っています。どう?これで理解した?』
沖「うん、やっぱり桜ちゃんは馬鹿なんだね」
『馬鹿馬鹿言うんじゃない、馬鹿って言った方が馬鹿なんだバーカ』
沖「最後に自分で馬鹿って言ったよ?馬鹿って言った方が馬鹿なんだよね?」
・・・・・。
『沖田さんのバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッカ!!!!』
ドタドタドバタドタッドタドタドタッ!!
沖「あはははははは!!」
私は勢いよく立ち上がって沖田さんを追いかけた。
こっちは死に物狂いで追いかけてるのに沖田さんはあの黒い笑みを顔に張り付けながら逃げている。因みにここは大広間。
『待てやコルァァァア!!取っ捕まえて副長室と言う名の地獄部屋へ永遠にいざなってやるァァァァァァ!!!!』
ドタドタドタッドタドタドタッ!!!!
スパーン
斎「騒々しいぞ」
私が沖田さんを全力で追いかけていると大広間の襖が開いた。そこには…
『はじめおかぁぁあさぁぁぁん!!!!』
ダキーッ
私は沖田さんから斎藤さんへ方向転換して斎藤さんに抱きついた。
斎「はぁ…今日は何が、……その傷はどうした?」
『よくぞ聞いてくれました!!アレ!!あの馬鹿が原因!』
私は斎藤さんに抱きつきながら沖田さんを指差した。斎藤さんは沖田さんを見ると呆れたような顔をした。
斎「はぁ……またアンタか、総司」
沖「また、なんて酷いなぁ。まるで僕がいつも問題起こしてるみたいじゃない」
斎「本当のことだろう。今回は桜にちょっかいを出したのか」
『そーなんだよそーなんだよお母さん!!この馬鹿が!!!!いきなり背中押してきて!!…つーか突き飛ばしてきて!!アザと切り傷できた!!!!』
沖「もぉ、わざわざ一君に言うことないじゃん」
『斎藤さんだから言うんですぅ〜』
私はべーっと舌を出して斎藤さんの背中に隠れた。すると、斎藤さんがくるっと後ろを向いた。
斎「兎に角だ。まずは怪我の手当てをするぞ。薬と包帯を持ってきてやるからここで待っていろ」
斎藤さんはそう言うと足早に大広間を出ていった。
……マジで斎藤さんお母さん。
山「まったく…何をやっているんですか貴方は」
『なっ…なにゆえ山崎さんがここに…?』
斎藤さんが薬と包帯を取りに行ってから5分後、斎藤さんは山崎さんと共に戻ってきた。そして何故か山崎さんは少しお怒りぎみ……何故に?
斎「途中で会ったんだ。手当てなら彼にやってもらった方がいいだろう」
『なるほど…』
浅くうなずきながら山崎さんを見ると、さっきの斎藤さんみたいに呆れたような顔をしてため息をついた。
山「貴方はもうやんちゃする歳ではないでしょう。少しは雪村くんを見習ってください」
『もっ…申し訳ございません…』
…何故私が怒られてるんだ?悪いの沖田さんだけじゃね?怒られるべきなのは沖田さんだけじゃね?
山「沖田さんには言っても無駄なので」
『こっ!ここにも予知能力者が!?』
山「冗談ばかり言ってると、傷えぐりますよ」
…あれ?山崎さんってこんなにSだったっけ?
沖「酷いなぁ山崎くん。僕に言っても無駄ってどういうこと?」
山「そのままの意味ですが?」
沖「…………」
山「…………」
『ボソッ)あの…斎藤さん……火花が見えるのは私だけでしょうか?』
斎「ボソッ)大丈夫だ。俺にも効果音つきで見えている」
・・・・・・仲悪いのか。
暫く無言の睨み合いが続くと、山崎さんが先におれた。
山「…桜さん、手当てをするのでぶつけたところを出してください」
『はいはーい』
山「返事は一回」
『…はい』
相変わらず…厳しいですこと。
私は腕と膝を出した。
山「派手に転びましたね」
『誰かさんのせいでね!!』
沖「ホント酷いね」
『オメーだよ』
反省のいろなしかい、この総悟2号が。
山「腕と足をやる前に…まずは顔を手当てしますよ」
『あ、やっぱり顔にも傷できてました?』
山「ガッツリ出来てますよ。鼻は赤くなってるし頬には擦り傷ができてます」
女の子の顔に…なんてことを!!!!
山「薬塗るのでじっとしていてください」
そう言われたので、私は大人しくじっとした。その時私は山崎さんが斎藤さんから白い袋を渡されたのを見た。それが薬らしい。
そして、沖田さんがニヤッと笑ったような気がした。
山「じゃあ、塗りますよ」
ザラッ…
・・・・・◆&%◎◇@¥°#●◇@″▽☆◇◆□!?――――――っ!!!!!!!!!!!!!
『いっっっっっっったアアアアアアいィィイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!!』