蜂蜜果蜜
□蜜十七滴
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あれ………ここ…どこ……
…知らない…場所……
私……独り…?
いや…違う………周りに皆いる…
土方さんも総悟も……山崎さんも神山も…原田さんも終先輩もいる……みんないる……
……?近藤さんは…?近藤さんがいない………あ…
なんだ……みんなの後ろにいたんだ…隠れて…見えなかった………
あれ……でも………おかしい……何で近藤さん…
首がないの?
どうして…何で……何で近藤さんの首が………誰が…やったの……一体誰が……
………?どうして皆…私を……睨んでるの…?手…?私の手を見ているの…?私何も持ってない……何もしてないよ………
でも、
何かを握っている。
刀だ…私の刀……………
でも…何で…血まみれなの?…何で…何で…何で……
やめてよ…皆見ないでよ…私を…見ないでよ……何でそんなに私を恨んでいるように…睨むの……?
…あぁ…そうか………
私が―――
近藤さんを殺したんだ。
『――――っ!!』
ガバッ!!
『はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……っはぁ………』
何…今の……夢?
私は呼吸を整えるように大きく息を吸った。そして自分の右手を見た。
刀持ってない…よね。……夢か…
『っ……なんつー夢みてんだよ…私っ………』
私は右手を見つめたあと、自分の頭を抱え込むように右手を頭へ運んだ。
ホント…自分に嫌気がさす………それに夢のチョイスでしょ……
『私が……この手で……っ近藤さんを…っ!』
やだ……嫌だっ……近藤さんが…死ぬなんて…!!
『そんなのっ……いやだ………』
私は布団の上に座ったまま自分の体を抱き締めるようにした。
そもそも…こんな夢みるなんて……私の心が…弱いからだ…………自分に覚悟が足りないからだ……
剣を持って生きるって決めたんだから…人を…殺して……生きていくって決めたんだから……皆から化け物扱いされようと……平気…な…はずなの……に…
あの時私を見る皆の目は………恐かったっ……
嫌だ……離れていかないでほしい………私から…っ離れないでお願いだからっ………独りは………独りじゃ……私っ…
完全に恐怖で心を覆い尽くされた私の瞳からは静かに涙がこぼれた。私はそれを誤魔化すかのように膝を立ててそのままうつむいた。
『誰かっ……誰か…助けて……………近藤さん……っ』