真撰組物語

□便器を磨く事これ心を磨く事なり
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【便器を磨く事これ心を磨く事なり】


土「あん?厠の設備を一新してほしいだ?」

『つーかあんたら真面目に掃除してたんだ。意外』

土「お前は何当たり前のように俺の部屋でサボってんだ。テメーも厠掃除だろーが」

『いやー、掃除当番と聞くと学校みたいな感じがしてついサボりたくなるんです。分かりますか?この強制されてる感じ』

土「わかんねーよ。普段は真面目に仕事してるくせにこんなところにサボりぐせあったのな」

『言っときますけど私、学校では掃除サボるし宿題やってこないし授業中寝てるか落書きしてるし提出物期限守んないし、そんな子でしたからね。真選組は仕事だからやってるだけです』

土「なんつーこと暴露してんだよ。お前のキャライメージ今ので絶対下がったぞ」

うるせーよ。世の中の高校生こんなもんだよ。テストで点数とれば高校生やっていけるのよ。先生も言うことねーのよ。

『それはおいといて…厠の設備を一新だっけ?』

私は総悟とその後ろにいる隊士をみた。

沖「ああ。隈無清蔵からの提言で、せめて厠の手洗いを蛇口式からセンサー式に変えてくれとの事だ」

土「そんな無駄な事に使う金も時間もねーんだよ。厠掃除してる暇があんなら市中で攘夷浪士でも掃除してきな」

『んじゃー私も江戸を掃除してこよーかなぁー「お前はいい」…チッ』

私は一度浮いた腰をもとに戻しその場に胡座をかいた。するとその時、総悟の後ろでずっと頭を下げていた清蔵さんが口を開いた。

清「……失礼ですが副長。副長は用を足した後お手を洗われになりますか?」

土「あん?洗うけど」

清「では何故、手をお洗いになるのですか。一体用を足す際何で手が汚れるのですか」

土「何でもクソも気分悪いだろ、手ェ洗わねーと」

清「ごまかさないでいただきたい。もっと明確に確実に汚い何かに触れているでしょう」

『あのスンマセン。ここに女の子がいるんですけど清蔵さん』

清「それは何ですか?何に触ったんですか?何が汚いんですか?」

『清蔵さん、女の子の前で土方さんに何を言わそうとしているんですか。つーかもう黙れ』

土「…何って……ナニだろ」

清「そォォォです!!男はどうしたって用を足す時股にぶら下がる汚いナニに触れなければいけないワケでしょォ!!つまり用を足した後手を洗うという行為は…ナニに触ったことをリセットし明日を生きていくための重要な禊の儀式なワケでしょ!!しかしィィィ!!この真選組屯所においてはこの禊の儀を行ったつもりでもその実、行えていない事にあなたは気づいていない!!」

『総悟、私もうあっち行っていいかな。こんな話聞いてもう屯所にいたくないんだけど』

沖「まぁもう少し付き合ってやんなせェ。掃除当番サボった罪だ、今更逃がしゃしねーよ」

それが本音だな、と思いながら私は清蔵の話を聞くことにした。

清「いいですか。ナニに触れたときに手につく菌。これを仮にタマ菌と名づけましょう!!用を足す!!この時副長の手はタマ菌だらけになっています」

土「オイ、やめてくんない。俺モデルにすんの」

清「タマ菌だらけになった手を洗うべく副長は蛇口をひねる。タマ菌を水で洗い流す。確かにこの時点では手はキレイになりましたしかしィィ!!しかしィィィ!振り返ってよく考えてください!いいですか。タマ菌を洗いおとすためにさっき副長は何をしたかな?」

土「オイ、なんでタメ口なんだよ」

清「そォォォォ!!副長は水を出すためにタマ菌だらけの手で蛇口をひねった!!当然蛇口には大量のタマ菌がついています!!そしてタマ菌を洗い流した副長は今!!そのキレイになった手で何をするか……はい!桜さん答えは!?」

『オメー何でタメ口なんだよ。年下っつっても階級はテメーより上だぞホクロ野郎』

清「そォォォ!!水を止めるためにもう一度タマ菌だらけの蛇口をひねらなければならない!!副長ォォォ!!あなたは結局最終的にタマ菌をテイクアウトしてるんですよォォ!!」

土「イヤな言い方すんじゃねーよ!!なんで俺だけみたいになってんだよ!それをいうならあの蛇口を使ってるてめーら全員タマ菌まみれだろーが!!」

土方さんは手入れをしていた刀を清蔵と総悟にむけた。

沖「残念でしたね土方さん。俺ァ用を足してもあそこで手を洗いやせん。そのまま厠を出ます」

土「それ直接タマ菌テイクアウトしてるだけだろーが!!」

『総悟サイテー不潔近寄んないで』

土「桜の言う通りだ!!『土方さんもヤダ、気持ち悪い』オイィィストレートすぎんだろ!!」

清「副長、わかってくれましたか。今のままでは真選組はタマ菌まみれなのです。これを打開するには蛇口式をやめ、センサー式の手洗いを導入するしかありません」

土「てめーは考えすぎなんだよ。オイ桜、書類整理すんぞ」

『あー…はいはいラジャー』

そう言いながら土方さんと私は立ち上がり廊下へ出た。

土「菌なんか気にしてたら生活なんてできねーよ。ったく、くだらねー」

山「副長ォォ!!」

すると山崎さんがやって来た。

山「むこうで焼き芋やいてんですが、副長も一緒に食べませんか?桜ちゃんもどう?」

そう言って山崎さんは私と土方さんの肩に手をおいた。

えっ…ちょっ…待っ…

すると肩からナウ●カの腐海的なやつがゾワゾワゾワ〜っと広がった。

土「『うがァァァァァァ!!』」

ドゴォッ

山「おぼしっ!!」

私は土方さんと同時に山崎さんを蹴り飛ばした。

土「なんだありゃ…?」

『うわぁ…触られた…分かっていたのにやられた……肩からナウ●カの腐海が侵食していく…』

清「副長と桜さんにも見えましたか…タマ菌が」

土「タマ菌!?まさかあれが!!」

土方さんは廊下を歩いていた隊士達をみた。

土「バカな!いたる所に…こ…これは」

『うえぇっ…気持ち悪!!最悪!!あり得ない!!』

近「オーイトシ何やってんだ?桜ちゃんも」

『…ひぃっ!!』

そこに近藤さんがやって来た。そしてその近藤さんはナウ●カの腐海だらけだった。てゆーか腐海を着こなしていた。

近「早く一緒に食おうぜ。おう総悟も清蔵さんも一緒にどうだい?」

土「『………………』」

土「おいィィィィィィ!!近藤さんが…近藤さんがタマ菌の量がハンパじゃねーぞ!!」

『気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い…リアルで見るとますます気持ち悪い…』

清「メチャクチャナニを触ったからでしょう。完全に卵が孵化しています。あれはもう近藤さんじゃありません。ただのタマ菌です」

土「…クッ。元に戻す方法は」

清「厠革命…それしかありません」

『厠革命って……何?』
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