真撰組物語

□【ミツバ篇】
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銀「………」

『………』

沖「大親友の坂田銀時く…」

銀「なんでだよ」

ガシャァァァン

『総悟の頭 埋もれさすなら皿の上以外でやって。私弁償しなあから』

銀「それより桜さんよォ何?これ」

『知るか』

総今さっき 悟がちょうど見つけた銀さんをとっつかまえて無理矢理総悟の隣に座らせた。私はミツバさんの隣に移動した。

銀「オイ いつから俺達友達になった?」

沖「旦那 友達って奴ァ今日からなるとか決めるもんじゃなくいつの間にかなってるもんでさァ」

銀「そしていつの間にか去っていくのも友達だ」

そう言って席をたつ銀さん。

沖「すいませーん チョコレートパフェ3つお願いします」








銀「友達っていうか 俺としてはもう弟みたいな?まァそういうカンジかな。なァ 総一郎君」

沖「総悟です」

銀「こういう細かい所に気が回るところも気にいっててねェ ねっ 夜神総一郎君」

沖「総悟です」

ミ「まァ またこの子はこんな年上の方と…」

沖「大丈夫です。頭はずっと中2の夏の人なんで」

『ただ頭がパーなだけでしょ』

銀「中2?よりによってお前 世界で一番バカな生き物中2?そりゃねーだろ鹿賀丈史君」

沖「総悟です」

銀「それに俺の頭はパーじゃないよ桜君」

『何だよ 桜君って』

私があきれた目で見ていると総悟が小声で銀さんに話しかけた。

沖「旦那 頼みますぜ。姉上は肺を患ってるんでさァ。ストレスに弱いんです。余計な心配かけさせたくないんでェもっとしっかり友達演じてくだせェ」

その間にミツバさんは銀さんのパフェを一つ自分に寄せて小さな瓶を取り出した。そしてその瓶の蓋をとって…

ビチャビチャ…

銀「? アレ?ちょっとお姉さん何やってんの?ねェ」

…あの独特のどす黒い赤の液体は…

銀「お姉さんんんん!!コレ タバスコォォォ!!」

銀さんのパフェが赤くなっていく…

『…タバスコお好きなんですか?』

ミ「えぇ そうなの」

満面の笑みで答えてくれるミツバさん。
ミツバさん…素晴らしい笑顔だけど…やっていることエグいです。

ミ「そーちゃんがお世話になったお礼に 私が特別おいしい食べ方を教えようと思って。辛いものはお好きですか?」

銀「いや 辛いものも何も…辛いものじゃないからねコレ」

ミ「ケホッケホ…」

銀「!!」

ミ「やっぱり…ケホッ 嫌いなんですねゲホゴホッ そーちゃんの友達なのに」

銀(友達関係なくね!?)

桜(関係ないね)

チャキッ

沖「好きですよね旦那」

『総悟 刀はしまえ』

銀「(何だコレは…今までにないタイプだ)アハハ…アレかも…好きかも そういや」

ミ「やっぱりいいですよね辛いもの」

銀さんが辛いものを好きだと言った瞬間、ミツバさんのせきは止まった。
なんだコレ。

ミ「食が進みますよねやっぱり。私も病気で食欲がない時 何度も助けられたんです」

銀「でも パフェ2杯も食べたからちょっと おなか一杯になっちゃったかななんて」

ゲホゴホッ…

ミ「ゲホゴホッゲフッゴッホゲフンッゴホッ」

沖「旦那ァァァァ!!」

銀「みっ…水を用意しろォォォ!!」

ミ「ゲホォ!!」

その時 ミツバさんの口の中から赤い液体がふき出されてきた。
水すら飲まずに食せってか。

沖「姉上ェェェェェ!!」

『銀さん飲め。タバスコパフェ一気に飲め』

銀「んがァァァァァ!!」

ゴキュンッ

あ、マジで飲んだ。
銀さんがタバスコパフェを口に含んだ瞬間 口から火を吹いた。

銀「んごをををををををを!!」

すごー、コレさ 口から火をふく男とかでサーカス入れんじゃね?
銀さんが口から火をふいている時、総悟は倒れたミツバさんを抱き抱えていた。

沖「姉上!姉上!しっかりしてくださかェ!!」

ミ「あ 大丈夫。さっき食べたタバスコ吹いちゃっただけ」

銀さんはそのミツバかさんの言葉を聞いた瞬間 壁に突っ込んでいきました。
銀さん ド疲れさん。


















ミ「今日は楽しかったです」

あれから時間はたち 辺りはもう真っ暗だ。私達はミツバさんを家まで送ってきたところだ。

ミ「そーちゃん 色々ありがとう。また近いうちに会いましょう」

沖「今日くらいウチの屯所に泊まればいいのに」

ミ「ごめんなさい。色々むこうの家でやらなければならない事があって」

ミツバさんは総悟から私と銀さんの方を向いた。

ミ「坂田さんも 今日は色々付き合ってくれてありがとうございました」

銀「あー 気にすんな」

ミ「桜ちゃんも今日はありがとう」

『いえ、楽しんでもらえて良かったです』

沖「それじゃ姉上 僕はこれで。帰るぞ##NAME」

『あ…うん』

ミ「あっ…そーちゃん!」

私と総悟がミツバさんに背を向けその場をあとにしようとすると ミツバさんに呼び止められた。

ミ「…あの………あの人は」

あの人って…

沖「野郎とは会わせねーぜ」

総悟は一瞬振り返りそしてまた前を向いて前へ一歩足を踏み出した。

沖「今朝方もなんにも言わず仕事にでていきやがった。薄情な野郎でィ」

そう言い残して歩いていってしまった。私はその場に突っ立ったままだ。

ミ「……仕事か 相変わらずみたいね」

銀「オイオイ 勝手に巻き込んで勝手に帰っちまいやがった。桜は行かねーのか?」

『今日はいい…』

今は総悟のそばにいたくないや。

ミ「ごめんなさい 我が儘な子で」

ミツバさんは私と銀さんを見たあと少しうつむいた。

ミ「私のせいなんです。幼くして両親を亡くしたあの子にさびしい思いをさせまいと甘やかして育てたから…。身勝手で頑固で負けず嫌いで そんなんだから昔から一人ぼっち…友達なんて一人もいなかったんです。近藤さんに出会わなかったら今頃どうなっていたか。今でもちょっと恐いんです。あの子 ちゃんとしてるのかって」

そしてミツバさんは銀さんの方を向いた。

ミ「ホントは…あなたも友達なんかじゃないんでしょ。無理矢理つきあわされてこんな事…」

銀「アイツがちゃんとしてるかって?してるわけないでしょんなもん。ねぇ桜ちゃん」

『ホントだよ』

銀「仕事サボるわSに目覚めるわ仕事サボるわSに目覚めるわ。そんでもって桜もSに目覚めるわ」

『私の話は関係なくない?』

私がSに目覚めたってなんの関係もないでしょ。

銀「ロクなモンじゃねーよあのクソガキ。一体どういう教育したんですか」

銀さんはボリボリと前髪をかきながら話す。

銀「友達くらい選ばなきゃいけねーよ。俺みたいのと付き合ってたらロクな事にならねーぜ おたくの子」

『じゃあ私 銀さんとの縁切るわ。ニートと絡んでもロクな事にならないからね』

銀「ニートじゃないから。何回言えば分かるのお前?つーかロクな事にならないのはお互い様だろーが」

『どこが?毎月毎月 私の給料日にたかってくるのはどこの誰でしたっけねぇ』

銀「それとこれとは話が別だろ。だから今月もパフェよろしく」

『イヤだ』

なんでアンタなんかに私がパフェ奢んなきゃなんないのさ。金の無駄だ。
そんな私達のやり取りを見ていたミツバさんがクスクスと笑った。

ミ「桜ちゃんはみんなと仲がいいのね」

『そーですか?こんな天パと仲良く見えても嬉しくないんですけどね』

銀「オイ コラ。天パバカにすんなよ。全国の天パの皆さんに謝れや」

ミ「……おかしな人。でも どうりであの子がなつくはずだわ。なんとなく あの人に似てるもの」

銀「あ?」

その時 一台の車がとまった。
まずい…忘れてた。

「オイ てめーらそこで何やってる?」

その車から降りてきたのは…

土「この屋敷の…」

土方さんだ。

ミ「と…十四郎さ…ゲホゴホッ」

『ミツバさん?』

ミ「ゲホゴホッゴホッ」

バタンッ

ミツバさんは土方さんの顔を見た瞬間 せきをして倒れてしまった。

銀「オイッ!しっかりしろ!!オイ!」

『銀さん落ち着いて』

私はうつ伏せに倒れたミツバさんに駆け寄りしゃがんだ。そして仰向きにして自分の膝の上にミツバさんの頭をおいた。
血は吐いてない…

『山崎さん 屋敷のなかに行って家の人を呼んできてください』

山「わっ 分かった!」

『銀さんはミツバさんを中まで運んでください。できるだけ刺激を与えないように横抱きで』

銀「お おぉ…」

私達は急いでミツバさんを屋敷の中へ連れてった。

土「……」

『…土方さんも早く』

土「…あぁ」
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