真撰組物語

□【柳生篇】
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『ふぅ……』

あー…やっと土方さんまけた。やっべ〜走りすぎて腰痛い。もうババァだよ私。てゆーか途中から総悟いなくなってるし…逃げたなアイツ。

『つーかもう夕方じゃん。どんだけおいかけっこしてたんだ。仕事してないじゃん』

書類たまってたのになー…まぁ別にいいか。書類って言っても総悟がぶっ壊した店とかの始末書だし。後で神山に押し付けとこう。
私は屯所の廊下をだらだら歩きながら自室に向かう。

『まぁいいか…どーせ明日も仕事しないんだし』

土方さん達があの会話をしてたってゆーことは、明日辺り柳生家に行くんだろうな。だったら行かないと。まぁ…喧嘩に手を出すつもりはないけど見学はしたいからね。

『けっこう真面目って感じなのに何故か笑えるんだよね』

絶対みたい。この目で見たい。

『明日おいてかれないようにしないとな』

スーッ…パンッ

独り言を言いながら部屋へ戻った。

――――次の日〜柳生家前〜――――

『奇遇ですね、銀さん』

銀「何で俺達の行くところ行くところに税金泥棒がいるのかなー?桜お前ストーカ『ぶっとばすぞ』

今日の朝、早めに起きて近藤さんと一緒に柳生家にいこうとしたら近藤さんがいなくて、仕方なく総悟たちと一緒に来た。そしたら門の前で銀さんと神楽ちゃんに会いましたとさ。

沖「旦那たち こんなところでどーしたんですかィ」

銀「んなこと言わなくても分かってんだろーよ」

なんだかんだ言って銀さんっていっつも人助けてるよね。

土「何のことだかわかんねーな。俺たちは喧嘩をしに来ただけだ」

銀「俺達も喧嘩しに来ただけなんですけどー もしかしてマネしてるとかー?」

土「誰がテメーみてーな天パのマネなんかするかよ」

『はいストーップ。長引きそうだから黙れー』

銀さんと土方さんの間に入り両手を横に出して二人を止めた。
ったく…これから人んちに乗り込むってのに喧嘩なんかすんなよ駄目大人共。

『そろそろ行きますよ。中からすごい音してるし』

柳生家のほうからはドカァァアとかバキッとか「姉上を返せェェェ!!」とか「お妙さんを返せェェェ!!」とかきこえてくる。

銀「しょーがねーな…足ひっぱんじゃねーぞ」

土「その台詞 そのままバットで打ち返してやる」

『はいはい 行きますよー』

私が両手で門をあけた。

ギィィィィイイイ

その瞬間 銀さんが木刀で目の前にいたやつらをぶっ飛ばした。

グワシャァァア

「な なんだ貴様ら?!」

銀「新八ィ 今日から俺らも門下だ。なんだっけ?天然パーマ流?」

『違う違う。サディスティック流剣法』

新「銀さん!!神楽ちゃん!!」

近「お前ら!!」

新八と近藤さんが二人揃って振り返った。

近「お前ら 一体何しに来やがった?!」

『何しにって…そりゃ勿論……喧嘩をしに来たんですよっ!!』

バキィッ

「うぐぁ!!」

私が柳生家の門下を蹴り飛ばしたのを合図に全員が攻撃をしかける。
あ 喧嘩はしないとか昨日言ったけど、これは違うからね?後でやる柳生流の喧嘩には手をだなさいよ?いや ホントホント。今月の私の給料に誓ってもいい。

ドカッバキッドゴォ

「なんだァァァコイツらァァァ!!まるで歯が立たぬぞ!!一体どこの門下だ?!」

次々にとぶっ飛ばしていく。土方さんと総悟は真剣しか持っていないから素手で殴り飛ばしていく。勿論私も真剣しかないからグーで殴り倒しています。え?可愛いげがない?そんなの知るか。

銀「新八ぃてめェは減給だぜバカタレェ!!なんでこんなマネする前に俺に一言言わなかった!一人で煮詰まりやがって!」

神「そうアル!一人でこんな面白そうな事シコシコ計画して 一言かけろヨ!お前はもう今日からシコッ八な!!」

『シコッ八は誤解を受けるからやめときな神楽ちゃん』

近「貴様らァ!新八君の気もしらんで勝手ぬかすなァ!!新八君は貴様らを巻き込みたくなかったというのがわからんかァ!!」

銀「うるせーゴリラ!!じゃあ なんでお前は巻き込まれてんだよ!さてはてめーか新八たぶらかしたな!」

『まずは女性の家族から仲良くなろう作戦ですか?』

近「それもある!!」

あるのかよ。

近「だが こいつは俺達のエゴだからよ!!お妙さんは自ら望んでここへ嫁ごうとしている!理由はしらん!だが俺達はそれが気にくわん!
あんな顔でさよならなんて できるわけもねェ!!」

お妙さん…この前泣きながら皆に“さよなら”って言って柳生家に言っちゃったんだよね。

近「こんなマネしても誰も喜ぶ奴なんていないのかもしれん!お妙さんはこんなこと望んでないのかもしれん!」

近藤さんが叫びながら敵をばっさばっさ倒していくと、勝てないと見込んだのか次々と逃げていく。

近「それでも自分の我を通したい奴だけここに来た!お妙さんにもう一度会いてェ奴だけここに来たァ!大義もクソもない戦いに余計な奴巻き込むワケにはいかんだろ!なのになんでお前らまで来るかなァァもォォォ!!」

近藤さんが振り返りながら私たちを見る。

土「近藤さん 心配いらねーよ」

すると土方さんがタバコの煙をはきながら話し出した。

土「俺も我ァ通しに来ただけだ。柳生には借りがある。そいつを返しに来ただけさ。ちなみに今日は仕事休みだしそこんとこも心配いらねェ」

沖「近藤さん 俺も我ァ通しに来ただけでさァ。このままいけばゴリラを姐さんと呼ばなきゃいけなくなる。ちなみに今日はバリバリ仕事でしたがサボって来ました」

土「オメーはホントに我だな!」

『近藤さん 私も我を通しに来ただけです。屯所で留守番していたら柳生家の皆を見れなかったなんて御免です、つーか絶対見たい 仲良くなりたい。ちなみに今日は山崎さんに一番隊副隊長任せてきました』

土「オメーは欲望の塊だな!つーか山崎どんなことに使ってんだよ!!」

“近藤さんがだってサボりのくせに”“俺はちゃんと有給とってきました!!”“サボりと似たようなもんでしょ”とか言い合いながら話していると、新八が少し離れたところで私達に背を向けながら話し出した。

新「銀さん…僕ねぇ……もうシスコンと呼ばれてもいいです。僕は姉上が大好きですよ。離れるのはイヤだ。できる事ならずっと一緒にいたいです。でもねェ……姉上が心底惚れて連れてきた男ならたとえそれが 万年金欠のうさんくさい男でもゴリラのストーカーでもマヨラーでもドSでもマダオでも痔でも 姉上が幸せになれるなら誰だって構やしないんです。送り出す覚悟はもうできめるんだ。泣きながら赤飯炊く覚悟はもうできてるんだ。…僕は仕方ないでしょ泣いても…そりゃ泣きますよ でも…

泣いてる姉上を見送るなんてマネはまっぴら御免こうむります。
僕は姉上にはいつも笑っていてほしいんです。それが姉弟でしょ」

涙を流し鼻水を出しながら新八は言った。その横を銀さんと神楽ちゃんが通る。

神「銀ちゃん。アネゴがホントにあのチビ助にほれてたらどうなるネ。私達完全に悪役アル」

銀「悪役にゃ慣れてるだろ。人の邪魔するのもな。新八覚えとけよ。俺達ゃ正義の味方でもてめーのネーちゃんの味方でもねェよ

てめーの味方だ」

新「………」

銀さん達のあとに続いて私達も歩き出す。

土「言っておくが俺は味方じゃねェぞ。たまたま喧嘩相手が一緒なだけだ」

沖「ベタじゃない?ベジータ気どりでさァ。あのままさりげなく仲間になるつもりだぜ 気を付けな」

『土方さんはセコイからね。あんなの仲間にしたら大変だから仲間にしちゃだめだよ新八』

すると私の後ろで近藤さんが新八の肩に手をポンッとおいた。

近「……仲間とは程遠いが この七人なら天下の柳生にも勝てるやもしれん。いくか 義弟よ」

新「誰が義弟?」


















『手始めにここから入ってみます?道場みたいだし、人の気配するし』

神「私があけるアル」

ガラガラガラっと開けると中には柳生四天王の四人が飯を食っていた。その人達から卵かけごはんが神楽ちゃんに向かって飛んできた。

『あ 神楽ちゃん避けて』

ベチャァァ…ポタポタ

言うのが遅かった。あぁーあ…神楽ちゃんのチャイナ服の股の所にちょうど卵がかかっちゃったよ。

沖「オイ チャイナ股から卵がたれてるぜィ。排卵日か?」

ガッドゴォォォオオオ

神楽ちゃんが総悟の顔面をつかんで投げ飛ばした。

土「今のは総悟が悪い」

『女の子になんて最低なこと言うんだ総悟は』

仰向けになって倒れている総悟を見つめる。

沖「いってェ…何しやがん…」

カチャ

頭だけを起こして話している総悟の頭に後ろから刀を突きつけられた。すると長髪の男、東城さんが前に出てきた。

東「いやァよく来てくれましたね。道場破りさん。天下の柳生家にたった七人で乗り込んでくるとは…いやはや たいした度胸。しかし快進撃もこれまで。我等柳生の守護と司る…」

北「北大路斎」

南「南戸粋」

西「西野掴」

東「東城歩
柳生四天王と対峙したからには ここから生きて出られるとおもいますな」

東城さんが話している途中、後ろの三人は総悟の首に刀を近づけた。

銀「あん?てめーらみてーなモンに用はねーんだよ。大将出せコラ。なんだてめーら?どこの100%だ?何100%だ?柳生100%かコノヤロー」

南「アンタらのようなザコ若に会わせられるわけねーだろ。俺達が剣を合わせるまでもなはねェ。オラッ 獲物捨てな…人質が…」

「「「『うおりゃぁぁあぁぁあああ』」」」

ズドドドドッ

沖「ぎゃあああああ!!」

私達は一斉に自分達の武器を“投げ”捨てた。

南「ちょっ 何してんの?!」

銀「捨てろっていうから」

南「どんな捨て方?!人質が見えねーのか!」

土「残念ながらそいつに人質の価値はねェ」

『殺してくれて構いませんよ。その方が嬉しいですから』

神「殺せヨ〜殺せヨ〜」

沖「てめーらあとで覚えてろィ」

床に倒れたまんま私たちを見上げる総悟。
…原作で皆はずしてたから私はちょい本気で投げたんだけど…チッ…当たんなかったか。
すると向かい側で北大路さんが刀に手をかけた。

北「東城殿。こ奴らの始末俺に…「やめろ」

その時ガラガラっと扉があいた。そこから出てきたのは…

九「それは僕の妻の親族だ。手荒なマネはよせ」

東「若!!」

久兵衛だった。つーか……美人〜。いや 見た目男だけどめっちゃ可愛い。

九「まァゾロゾロと。新八君、君の姉への執着がここまで強いとは思わなかった」

新「今日は弟としてではない、恒道館の主として来た。志村妙は当道場の大切な門弟である。これをもらいたいのであれば主である僕に話を通すのが筋」

九「話?なんの話だ」

近「同じく剣を学び生きる身ならわかるだろう。侍は口で語るより剣で語るが早い」

沖「剣に生き剣に死ぬのが侍ってもんでさァ ならば」

土「女でも剣を奪ってけよ」

神「私達と勝負しろコノヤロー!!」

『ぶっ潰してやりますよ』

九「勝負?ぶっ潰す?クク…我が柳生流と君達のオンボロ道場で勝負になると思っているのか?」

銀「なりますよ〜坊っちゃま。僕ら恒道館メンバーは実はとっても仲が悪くてプライベートとか一切つき合いなくてお互いのこと全然しらなくてっていうかしりたくもねーし、死ねばいいと思ってるんですけどもね〜。

お互い強いってことだけはしってるんですぅ〜」
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