真撰組物語

□【柳生篇】
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【そういう時は黙って赤飯】


『うっわ。土方さんの刀ボロボロ。うっわー』

土「その言い方イラつくからやめろ」

『どーしたんですか?それオニューだったんじゃないんですか』

どうもー。今日も土方さんで遊んでいる桜でーす。総悟とせんべいを食べながら午後ドラ“社長攻略方法♡私のDANGEROUS大作戦”を観てるところです。

沖「土方さんは喧嘩に負けたんでさァ。これで二回目ですか?」

土「負けてねェ。剣にヒビが入っただけだ」

『言い訳ですか』

沖「万事屋の旦那には剣折られてましたねィ。ありゃ負けでしょ」

土「負けてねェ。喧嘩は心が折れねェ限り負けたことにならねェ」

『いや 完璧に負けてます。マジ言い訳とかナイですわ。ね?総悟』

沖「そうだなァ。それに土方さんは目の前で隊士十人やられたのに心が折られねェたァ」

『わぁー。どんだけですか その図太さ』

カチャ

土「どうせ刀 もう使い物にならんし折っちまおうかな。お前らの首をおとして」

そう言って刀を突きつけてくる土方さん。
まったく…短気だなぁ土方さんは。

沖「土方さん。峰打ちじゃなきゃ全員命とられてるところでしたぜ」

へぇー。そんなに強かったんだ。

沖「相手は柳生の者とか…『柳生?!』

まてまてまてまて…一旦落ち着こう。落ち着くんだマイハート。……柳生って…あの柳生?あの九兵衛君だよね?
………えェェエ?!もしかしてもしかするとっ!柳生篇に突入?

『マジでか』

土「何だお前。柳生家のこと知ってんのか?」

『知ってる知ってる。おもくそ知ってます』

沖「もしかして桜の世界で出てきたんですかィ?」

『うん。めっちゃ好きな話。ま、話してやんないけど』

土「つーことは…面倒なことになんだろーな」

『楽しいですよ、見てる側としては』

土「そりゃそーだろうな」

『柳生家ってあれですよね。細かいとこはよく覚えてないですけど、言うならセレブ剣術』

沖「あぁ。天人が来てから剣術は零落する一方だというのに、未だその華麗なる技を学ぶため門を叩く者も多いとか」

『そこの次期当主が柳生九兵衛。柳生家始まって以来の天才と呼ばれている人物でしょ?』

沖「そうでさァ。まぁ俺ァしょせん坊っちゃんが習う道場剣法。実戦じゃ俺達の方が上だと思ってましたがね。どうにも俺達の田舎剣法じゃシティー剣法にはかなわねーらしい」

『えー。だったら私、習うんだったらシティー剣法が良かった』

土「オメーは田舎剣法で十分だ」

額に血管を浮かばせながらタバコを吸っている土方さん。そーとー負けたのが悔しいらしい。

沖「剣も色恋も…幼なじみの許嫁ときちゃあ近藤さんの出る幕はねーや」

土「総悟、近藤さんナメんなよ。今回の見合い 近藤さん見事あの王女を口説きおとしたんだぞ」

『あぁ…あのゴリラ王女ですか。昨日“違うんだって…誤解なんだって…。”って泣きながら帰ってきましたね』

土「なんだかよくわからねーがタフな所が気に入ったってよ。やればできるんだよ、あの人は」

『やればできるってのは分かりましたけど、今回やったことは褒めることはできませんよ』

沖「…するってーとなんですか。このままいったらあのゴリラが俺達の姐さん」

…よし、皆?よく考えてみよう。あのゴリラが近藤さんと結婚したら…。
朝起きてもゴリラ、飯を食うときもゴリラ、巡察から帰ってきてもゴリラ、夜寝るときもゴリラを見なければならない。…うん。

『それだけは嫌だ。いくら私でもぶん殴りそう』

土「桜は誰にでも殴ってんだろ」

否定はしない。けど、ゴリラは別でしょ。いや いくら近藤さんを見慣れてるからってさすがに本物のゴリラと一緒に暮らすのは………それだけは全力で避けたい。

『これは…なんとしてでも防がなければ』

沖「別にいーじゃねーか。桜と同じ種族の家族が増えるんですぜ?嬉しいだろィ」

『勝手に人をゴリラにするな。私の家族はちゃんとした人間だ。近藤さんの家みたいなゴリラ家系じゃない』

沖「あれ?そうだったんですかィ?おっかしぃなァ…こんなに毛深いのになー」

グイッ

『いった!それ髪の毛だし。毛深いって言い方は違うでしょ。つーか離せ』

沖「あ、ゴリラの種族じゃなくて馬の種族か。馬の尻尾がついてる」

『ポニーテールと言え。お前はどこの田舎もんだ。てゆーか私人間、ちゃんとした地球産。だから髪離して、じゃねーと総悟の髪バリカンで刈るぞ』

沖「しょーがねーなぁ…」

グイ――――ッ パッ…ハラリ…

『いででででで!!……こんの野郎!何で離す前におもいっきし引っ張った!!髪の毛何本か抜けちゃったじゃかコラ!!』

沖「あれーおかしいなー手がかってにー」

『棒読みやめろムカつくから!!ちょっ 土方さん!バリカン貸してください。総悟の頭刈る』

土「あぁ?んなもん持ってねーよ」

『チッ……役立たずの無能が』

土「んだとコノヤローォォォオオ」

沖「土方さん。桜の髪刈るんで芝刈機貸してくだせェ」

土「だからそんなもん持ってねェっつてんだろーが!!」

沖「チッ………役立たずのマヨ野郎が、死ね」

土「オメェら刀を抜けェェエたたっ斬ってやらァ!!」

ブンッ

『おわっ!…ちょっと土方さん、狭い部屋で刀振り回さないでくださいよ。ホントに救いようがない無能ですね』

土「黙れェェエ!!」
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