真撰組物語

□一日局長に気を付けろッテンマイヤーさん
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【一日局長に気を付けろッテンマイヤーさん】


沖「とう」

ドガシャンッ

「ぶっ!!」

『うっわ!!コーヒーかかったァ!つーか総悟!!店を壊すなァァ!!』

「…しっ真選組だァァ!!」

沖「清川七郎。金木星大使館襲撃幕吏殺害 コーヒーこぼした容疑で逮捕するぜィ」

「コーヒーはお前がこぼしたんだろーが!」

『プラス私にコーヒーかけた容疑ね。あ、これは現況作った総悟の罪だからな』

沖「マジか」

「お客様ァァ!!コーヒーはおかわり自由なのでどうか外でェェ!!」
















“お手柄?!真選組またやった!!店舗半壊!これで23件目 サド王子こと沖田総悟(18)”

今私は近藤さんと土方さんの間で一緒に新聞を読んでいる。

近「ヘェ〜寺門通レコード大賞で新人賞受賞か〜スゲーな」

土「違う違うその上の記事」

近「ヘェ〜連続婦女誘拐またも犠牲者、恐えーな。でもお妙さんは絶対大丈夫だよな〜」

『違う違う その右の記事』

近「ヘェ〜総悟がまたやったか〜。責任はトシがとってくれよな〜」

土「違う違う アンタのせい」

近「違う違う トシが」

土「違う違う 近くにいて止めなかった桜のせい」

『違う違う 止めましたけど駄目でした。これは総悟のせいですよアハハー』

近「アハハハハ」

土「アハハハハ」

―――数日後―――

近「いいですかァ!!浮かれちゃうこんな時期こそ戸締まり用心テロ用心!!はい!!」

シ〜〜〜〜ン

今何をしているかと言うと、最近テロだのコソ泥だのの被害が跡をたたないからこうやってマイク片手に市民に呼び掛けてるんだって。なんか選挙の車っぽいのに乗って。
それと今日は特別なゲストつき。

寺「あれれ〜?みんな元気がないぞォホラもっと大きな声で。浮かれちゃうこんな時期こそ戸締まり用心火のじん臓売らんかィクソッタっりゃああ!!」

「「「じん臓売らんかィクソッタっりゃああ!!!!」」」

アイドルの寺門通が来ている。

寺「こんにちは〜真選組一日局長を務めさせて頂くことになりました寺門通で〜す♡」

しかも一日局長だ。

寺「みんなァ〜正月だからって浮かれちゃダメだゾーさんウンコメッさデカイ!」

「「「メッさデカイ!!」」」

寺「今日はお通が全力で江戸の平和を護ってみせるからみんな手伝ってねこのウンコメッさくさい!」

『可愛い顔してとんでもないこと言うな』

寺「それじゃ一曲聴いてください!“ポリ公なんざクソくらえ!!”」

ジャジャーン♪

近「…トシ 桜ちゃん。やっぱ呼んでよかったなポリタン」

土「…んなワケねーだろッキーV炎の友情」

『イライラするからそれやめてください』














近「いいかァァー!今回の特別警戒の目的は――」

場所はかわって変な銅像がある広場に集まっている。今日はお通ちゃんが一日局長として真選組を束ねるそうだ。うん、すっげぇー面倒。アレなんだよね。別にお通ちゃん好きでもないし嫌いでもないんだけど、いきなり来て局長で〜す♡とか言われてもひねくれた私の性格では『は?アンタ何様?』ってしか思えないんだよね。つーかアイドルは基本好きじゃない。てゆーか興味がない。ん?…これ嫌いじゃね?まぁいいや…。

近「いいかァお前らくれぐれも今日は暴れるなよ!そしてお通ちゃん…いや局長を敬い人心をとらえる術を習え!」

こんなむさ苦しい所に女の子が来たんだ。当然隊士たちは舞い上がっている。……あれ?私も女の子だよね。この反応の違いは何。
すると突然隊士達が色紙をもってお通ちゃん目掛けて走ってきた。

「ひゃっほォォォ本物のお通ちゃんだァァ!!」

「サイン!サインくれェェ!」

近「バカヤロォォォォ!!」

ドゴォンッ

近藤さんが走ってきた隊士を殴った。

近「これから市民に浮かれんなという時に、てめーら浮かれてどーすんだ。あくまで江戸を護る事を忘れるな」

スッゴい恐い顔で隊士たちを説教する近藤さん。でもその近藤さんの上着の背中には“おつう♡”というサインがかいてあった。

近「すいません局長。私の教育が行き届かないばかりに…みんな浮かれてしまって」

寺「いえ」

『……アホらし』

「てめーもサインもらってんじゃねーか!どーすんだその隊服」

ドゴドカ隊士に蹴られる近藤さん。

近「一生背負っていくさ!この命続く限り!」

その光景を少しはなれたところから私と土方さんと総悟は見ていた。

沖「いや〜すっかり士気があがっちまって」

土「士気があがってんじゃねよ!!舞い上がってるんだよ」

『士気乱れまくりじゃん』

総悟がお通ちゃんに近づいて紙を一枚渡した。

沖「寺門さん。こいつが今日のスケジュールでさァ」

寺「あ、ハイ」

土「まァアンタは何もしないで笑ってたっててくれりゃいいから気楽に」

寺「…あのォ」

土「?」

寺「私やるからには半端な仕事は嫌なの。どんな仕事でも全力でとりくめって父ちゃんに言われてるんだ」

土「いや…でも」

寺「例え一日でも局長の務めを立派に果たそうと思って、真選組のイメージ改善のために何ができるか色々考えてきたんだ」

土「いや いいって。アンタはいるだけでいいから」

土方さんがどうにかしてお通ちゃんに大人しくしてもらおうとしているといきなりお通ちゃんが近藤さんをドカドカ蹴っている方を見て大声を出した。
つーかまだ蹴られてたんだ、近藤さん。

寺「ちょっとあなた達いい加減にてよ!」

やーい怒られてやんの。アイドルなんかに浮かれてるからだ。

寺「そんな喧嘩ばかりしてるからあなた達は評判が悪いの!」

『ストレートに言われた』

寺「なんでも暴力で解決するなんてサイテーだよ!もう今日は暴力禁止!その腰の刀も外して!!」

土「オイオイ 小娘がすっかり親玉気どりか?そいつらはそんじょそこらの奴に指揮れる連中じゃねーんだよ。それに武装なしで取締なんてできるわけねーだろ。刀は武士の魂…」

ガチャガチャ

『すいません土方さん。武士の魂一瞬で地面に捨ててます』

「「「すいませんでした局長ォォォ!!」」」

土「転職でもするか」

『私も転職したいです』

コイツら…バカだと思っていたけど、バカ通り越して天才だ。バカの天才だ。
私と土方さんと総悟が刀をまださしているのに気づいた近藤さんが

近「トシぃぃ!!総悟ぉぉ!!桜ちゃんも何をやってんだァ!お前達も早く武装解除せんか!」

土「近藤さんアンタは頭をもう少し武装する必要がある」

『土方さん、武装する前に頭の中お通ちゃんで侵食されています』

近「今日は一日イメージアップに尽力せんか!俺が何も考えずにお通殿をお呼びしたとおもうのか?」

土「いや いやらしいことを考えてお呼びしたと思う」

『みんな目がやらしぃ』

そのあと渋々土方さんと総悟は刀を外した。え?私?はずすわけないじゃん。何でこんな小娘の命令きかなきゃなんねーんだよコラ。あ、もしも読者の中でお通ちゃんのファンの人がきたらすいませんね。いや これっぽっちもすいませんなんて思ってないけど。

寺「ホラ!あなたも早く刀はずして!!」

『………。』

無言作戦。つーか、いーやーだーねー!!お願いされるとよけい嫌だねー。自分でも思うけど、私の性格最悪だな。

寺「それにあなたは女の子なんだから刀なんか持っちゃダメ!女の子なら―『は?何言ってんの?』え?」

その瞬間私のなかの何かがブチッとキレた。

『女だから刀持っちゃいけないなんて法律ないでしょ?それが何であなたに言われてはずさなきゃなんないの?女女って…女で刀持って何が悪い!!』

私が喋ったあとその場が静まり返った。ヤッバ。言い過ぎたかな。でも何かカチンッてきた。電車の中で「ねぇ…あそこの女の子……ねぇ?クスクス」並みにカチンッて来た。あれ?例え分かりにくい?まぁ大体わかるでしょ。
その時沈黙を破ったのは土方さんだった。

土「オイ言い過ぎだ桜。気持ちは分かるが今日は大人しくしとけ」

近「そうだぞ桜ちゃん!!今日の局長はお通ちゃんだ!局長命令は絶対だ」

近藤さんお通ちゃんにデレッデレ。ごめん、正直気持ち悪い。つーかお通ちゃんの一日局長が決まってからみんな舞い上がっちゃってさ、近藤さんも「お通ちゃんお通ちゃん」うるさかったし。兎に角…

『おめーらウザイ』

土「いきなり何言ってんだオメーは!!」

『いや なんか色々考えてみたら、みんなウザいなという結論にたどりつきました』

土「どんな思考回路してんだよ!!」

だって…だってねぇ?

『…最近みんなと話すと“お通ちゃんお通ちゃん”なんですよ?とてもウザくてつまんないことこの上無かったんです』

すると隣にいた総悟が口を開いた。

沖「何拗ねてんでィ」

……は?私が拗ねてるゥウ?

『んなわけないじゃん。総悟バカでしょ』

沖「オメーよりバカじゃねーやい」

『私だって総悟よりバカじゃないんですけど』

沖「俺だって桜よりバカじゃねーよ」

『はぁ?私だって総悟よりバカじゃ「いい加減にやめろ」

土方さんにとめられた…邪魔しやがってコノヤロー。
ずっと黙っていた近藤さんが口を開いた。

近「桜ちゃん。今はお通ちゃんが局長だ。一人の我が儘のために命令を取り下げるなんてことはしない」

…あっそ

寺「あ、あの!私が悪かったので…もういいですよ!『だったら今日一日真選組隊士やめます』!!」

『これでいいですよね?』

土「オイ桜!!」

私は警察手帳と手錠と拳銃を取り出してお通ちゃんの手に押し付けた。

『はい、これどーぞ』

寺「え?!あ あの!」

『んじゃ頑張って下さいね。局長?』

そして皆に背を向けて歩き出した時誰に手首をつかまれた。手をつかんだ人を見てみると総悟だった。

沖「さっきから拗ねてんじゃねーか」

『だから拗ねてないって。それは総悟達が一番わかってんじゃないの?』

大体この歳になって拗ねるって…私はどこの小学生だ。もう高校生なんですけど。つーか私はこんな性格なんだよ?ナイナイナイナイ拗ねるとか有り得ない。そんな感情小学校卒業した時に置いてきたわ。

沖「じゃあ何なんだよ」

『んーじゃあ反抗期っつーことで。反抗期娘は今日一日職務放棄するから、んじゃーね』

無理矢理総悟の手を振り払ってその場を後にした。

土「…完璧拗ねてんな」

近「ヤバイ!!娘が反抗期だァァ!!これから話しかけてくれなくなったらどうしよう俺ェェェ!!」

沖「落ち着いてくだせェ近藤さん。その道は親なら一度は通る道でさァ」

近「マジでかァァ!!どーしよう!俺やれるかな?!俺乗り越えられるかなトシ?!」

土「いや 知らねーよ。………そーいや桜が真選組来てから我が儘言ったことなかったな」

沖「普通あの歳なら反抗期しまくりわがまま言い放題ですよねィ。ま 俺みたいな良い子は違うけどな」

土「オメーは反抗期の子供の代表だろーが」

近「どうしようトシィィイ桜ちゃんが一生戻ってこなかったらァァ!!俺泣いちゃうぅぅぅううう!!」

土「まァ今日一日だけっつってたしその内戻ってくんだろ。いつもの毒舌ひっさげて」
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