真撰組物語

□ベルトコンベアには気を付けろ
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【ベルトコンベアには気を付けろ】


「寺子屋の窓から赤い着物の女がこっち見てんの…おれもうギョッとしちゃって…でも気になったんで恐る恐る聞いてみたの“何やってんの こんな時間に”って」

「「『「ゴクッ…」』」」

「そしたらその女…ニヤッと笑ってさ」

土「マヨネーズが足りないんだけどォォ!」

「「「ぎゃふアアアアアアア!!」」」
『ぎゃァアアアアアアア!!』

どうも。ヒロイン桜です。今隊士のみんなで怪談話をしていたんだけど…大事なオチのところで土方さんがゾンビみたいな顔で背後から叫んできやがった…

「副長ォォ!!なんてことするんですかっ!!大切なオチをォォ!!」

『KYですか土方さんは』

土「しるかァマヨネーズが切れたんだよ!買っとけって言っただろ桜!!焼きそばが台無しだろーがァ!!」

『今朝買ってきたのもう使いきったんですか?!』

その土方さんの手にはもう焼きそばだかマヨネーズだか分かんない物が乗っていた

「もう充分かかってるしゃねーか!なんだよそれ もはや焼きそばじゃねーよ“黄色い奴”だよ!!」

『てゆーか土方さんのせいで近藤さんが泡吹いて倒れちゃったじゃないですか』

隊士のみんなが一斉に近藤さんを見る
そこには泡を吹いて目からは涙を流して気絶している近藤さんの姿があった

「アレ 局長?局長ォォ!!」

「大変だァ局長がマヨネーズで気絶したぞ最悪だァァァ!!」

『うわ汚い。ちょ、近藤さんこっちに寄せないで』

「「「桜ちゃぁぁぁあん?!」」」

ギャーギャー!!

土「くだらねェどいつもこいつも怪談なんぞにはまりやがって」

パタンッ…

『あれ?土方さんいなくなった』

山「副長なら隣の自室に戻ったよ。てゆーか桜ちゃん、局長踏んでる」

あ、ゴリラ踏んでた。まぁいいや
土方さんのせいでオチ聞けなかった…
ここは一つ

『土方さんに仕返ししてくる』

ミキミキメシ

山「だから局長踏んるって!!ミキミキいってるからァア!!」

必死にツッコんでくる山崎さんをほっといて土方さんの部屋の襖を静かに開けて音をたてないように入り襖を閉める
煙草を吸いながら独り言を言っている土方さんがいた
静かに近づいて…
ニヤリ…

『土方さんの後ろにオバケがァァア!!』

土「うおぉぉお!!」

ズサーッ

『あれ?土方さん何やってんですか?』

土「い、いやぁ机の下に消しゴム落としちゃって」

『消しゴム拾うのに掛け声までつけて、随分と気合い入っているんですね』

土「これはあれだ。ジョ●ーデップから貰った消しゴムだから。宝物で無くすと大変だったからつい大声を出しちまったんだ」

本当は怖いくせに

『まぁいいや。面白かったし。じゃ戻ります』

土「つーかてめぇは何しに来たんだよ!!」

『それはもちろん』

“死ねよ〜〜〜土方〜お前頼むから死んでくれよぉ〜〜”

土「………なんか言ったか」

『………土方さんこそ何か言いましたか』

シーン…

土「『ふんっ』」

パンッ

土方さんと同時に障子を開け外を見ると…

沖「ビクッ」

土「……何してんだてめ〜こんな時間に?」

『蝋燭頭につけて何をしていやがるんですか』

沖「ジョ…ジョギング」

土「『ウソつくんじゃねェ!!』」

土「そんな格好で走ったら頭火だるまになるわ!!儀式だろ?俺を抹殺する儀式をひらいていただろう!!」

沖「自意識過剰な人だ。そんなんじゃノイローゼになりますぜ」

『土方さーん。この木の裏に土方さんと私の写真が藁人形と一緒に釘で刺されてます』

裸足のまんま一番近くにあった木をのぞいてみると予想通りあった

『つーか何で私のまで?』

沖「偶然で『ぶっとばすぞ』

土「はぁ…何下らないことやってんだてめぇは……っ?!」

いきなり会話を止めた…どっかを見てる?

『土方さんどーしたんですか?瞳孔がいつもの倍開いてますよ』

沖「何か見たんですかィ」

土「総悟、桜…今あそこに何かみえなかったか…」

沖「何にも見えませんぜ」

『私もです』

私と沖田さんが答えるとまた黙る土方さん
これって原作にあったあの話だよね…まぁ楽しいから黙ってよう
一人で自問自答しているといきなり…

「ぎゃああああああ!!」

土・沖「『!!』」

―――次の日の朝―――

土「ひでーなオイ。これで何人目だ?」

沖「えーと十八人目でさァ」

『あらら』

昨夜あのあと叫び声が聞こえた場所に行ってみると一人の隊士が倒れていた。そのあとも次々に隊士が倒れていった

沖「隊士の半分以上がやられちまったわけですね」

『真選組よっわ』

土「うっせぇ黙ってろ」

沖「でもさすがにここまでくると薄気味ワリーや」

土「冗談じゃねーぞ。天下の真選組が幽霊にやられてみんな寝込んじまっただなんてな」

『恥ずかしくてどこにも口外できませんね。ジョ●ーデップの消しゴムを掛け声つきで探していたなんて』

土「そのことじゃァねぇーよ!!つーか忘れろ!!」

近「トシ…俺は違うぞ!マヨネーズにやられた!!」

土「余計言えるか」

そのあと近藤さんの言い訳“マヨネーズにやられただけだ!!”を聞きながら私たちは場所を移した
お茶を飲んでいた沖田さんが話し出した

沖「みんなうわ言のように赤い着物を着た女と言っているんですが」

『あ。アレじゃないですか?稲山さんがはなしてた怪談のやつ』

土「バカヤロー幽霊なんざいてたまるか」

すると土方さんの言葉を否定するかのように

近「霊を甘く見たらとんでもない事になるぞトシ。この屋敷は呪われているんだ、きっととんでもない霊にとり憑かれてるんだよ」

と、真剣な表情で近藤さんが言った
思い込み激しいね

土「…何をバカな……………いや…ナイナイ」

何を思ったのか急にナイナイ言い出した。大丈夫か?この人
そんなとき山崎さんが来た

山「局長!連れてきました」

近「オウ、山崎ご苦労!」

山「街で捜してきました。拝み屋です」

山崎さんの後ろからウソ臭い人達が3人出てきた

「「「どうも」」」

土「何だコイツらは…サーカスでもやるのか?」

ひょこっと土方さんと沖田さん顔を出して拝み屋らしい人たちを見つめた
つーか銀さんたちだよねこれ

近「いや、霊をはらってもらおうと思ってな」

土「オイオイ冗談だろ。こんなうさん臭い連中…」

「あらっ、お兄さん背中に…」

土方さんの顔を見るなり変な事を言ってくるお坊さん。つーか銀さん

土「なんだよ…背中になんだよ」

ゴニョゴニョと銀さんとグラサン、つーか神楽ちゃんがクスクス笑いながら話してる

「ププッありゃもうダメだな」

土「なにコイツら。斬ってイイ?斬っていい?!」

『まぁ土方さんどーどー』

私が土方さんをなだめていると近藤さんが立ち上がり祓い屋に近づいていく

近「先生。なんとかなりませんかね。このままじゃ恐くて一人で厠にも行けんのですよ」

『近藤さん。隊士たちの心配をしてあげてください』

するとグラサン(神楽ちゃん)が

「任せるネ ゴリラ」

近「アレ 今ゴリラって言った?ゴリラって言ったよね」

『近藤さんも落ち着いてください…とりあえず屯所のなかを見てもらったらいいんじゃないですか?』
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