真撰組物語

□クーラーはタイマーで切れるようにしてから寝ないと風邪引くよ
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まーだ信じてないのかな?

『二人とも ちよっとおいで』

私は二人に手招きをして出口のところに連れてきた。私はドアを少し開いて外の様子を二人に見せた。そこには10台ほどの戦車を準備して店の回りを囲む真選組の姿があった。

「二番隊三番隊は裏をかためろ!いいか!ネズミ一匹通すなよ!!」

「たとえ隕石が落ちてこようが上様をお護りするのだァ!!」

ドタバタと忙しそうに走り回る隊士の様子を突っ立って見ている二人がいた。

土「しかしとっつぁんにも困ったもんだぜ」

げっ…土方さんだ。

土「将軍に夜遊びご教授たァ。毎度毎度警備に駆り出される俺達の身にもなってほしいもんだ」

近「とっつぁんも城に引きこもりきりの上様に外の空気を吸わせてやりたいのだろう」

…近藤さんもいやがる。

近「お父上がお亡くなりになって以来、とっつぁんは上様の親父代わりになっていたときく」

土「どこの世界に息子とキャバクラに来る親父がいる?」

近「フハハハ親父というより悪友なのかもな。だがん千万の家臣よりたった一人の悪友が男って奴には必要なのさ。ということでトシ 一緒に店戻ってお妙さんと飲まんか」

土「そんな悪友俺はいらねェ」

近「そんなかてぇこと言うなよ。…そー言えば桜ちゃんはどうした?さっきから姿が見えんが」

……ヤベ。

土「桜は体調が悪いからっつって帰ったらしーぞ。とっつぁんがさっき言ってた」

近「…体調が悪いようには見えんかったが…そうだったのか。無理なことさせちまったな」

セ、セーフ…。松平さんナイス。
私はゆっくりドアを閉めた。

バタンッ

銀・新「……………。」

新「本物どぅァァァァァ!!正真正銘 本物の征夷大将軍ですよォォ!!どうすんすかァァ!!」

『だから本物だってさっきから言ってんじゃんか』

新「何でそんなに冷静ィィィィ?!」

銀「とり乱すんじゃねェ!!おちつけェ!!とりあえずサインをもらおう!あっ 色紙ない!マットでいいかな?いいよね?」

銀さんはローションでズルズルのマットを抱き抱えた。

新「アンタがおちつけェェェ!将軍の前にこんなズルズルのマット差し出せるかァ!!」

銀「おちついてきけパチ恵!今回の仕事うまくいきゃとんでもねェ大金が手に入るぞ!」

銀さんは目を全開にしてハァハァと興奮ぎみで息をしている。

銀「だがその分リスクもでけェ!粗相をしでかせば首も飛びかねねェ!」

新「だからアンタがおちつけって どんだけ金ほしいんですか!!」

『この世は金中心で成り立っているんだよ新八』

新「金の亡者か!!アンタは真選組でいい給料もらってんだろーが!!」

『まぁまぁそんな興奮すんなって』

私は新八を落ち着かせるように自分の両手を前に出した。

銀「幸い鈍い女共はこの事実に気づいてねェ奴らには将軍のことを一切しゃべるな。動揺を招いて必ず失敗する。ここは冷静に…」

松「オイぃぃぃしゃくれ女 ちょっと来い」

銀「誰がしゃくれ女だァァ!!」

銀さんは松平さんに向かって飛びかかろうとする。それを新八がおさえる。

新「オイィィィ!冷静に!!冷静に!!」

銀「女はなァ ちょっと斜に構えてる位が一番カワイイんじゃァァァ!!」

松「そのこ廃校寸前の学校にいそうなイモおさげ お前も来い」

新「おさげなめんなァァァァァ!!」

今度は新八が松平さんに向かって飛びかかろうとする。それを銀さんがおさえる。

新「一見イモくてクラスでは目立たないが磨けばキレイになるんじゃね?みたいな原石美人が男は大好きなんじゃー!!」

銀「おちつけェ新八ィ!お前は磨いても自転車のさびたベルとかしか出てこなそう!」

『ブスな奴はブスなんだよ新八』

松「おーい、そこの胸ちいせぇ奴も来いよ」

『黙ってろエロジジィィィィ!!』

私が松平さんに向かって飛びかかろうとすると、それを銀さんと新八にとめられた。

『巨乳の女より胸が小さくて清楚そうな子の方が男ウケいいんだよ!!ペチャパイの方が結局男は好きなんだよコノヤロォォォォ!!』

銀「おちつけェ!!おちつけ桜!!お前はペチャパイでも性格悪わりィから関係ねーよ!!」

新「銀さん!ソレ油に火をそそいでいます!!」

『コロス』

銀・新「おちつけェェェ!!」












松「んー これで人数もいいカンジだな」

私たちは松平さんたちの待つソファーに座った。私は新八と銀さんの間に座らされた。
よりによって松平さんのど真ん前…。

松「酔いも回ってきたし。じゃそろそろ…将軍様ゲームぅぅはっじめるよ〜!!」

ドンドンパフパフ〜

新「……将軍様ゲーム?」

説明しよう。将軍様ゲーとは…
用意するもの 男と女 わりばし。“将軍”と番号を書いたくじをわりばしでつくる。くじをみんなで引き 将軍様を引き当てた人は将軍になり、様々ないやらしい命令(拒否不可)を下すことができる大人のゲーム。
つーかコレ王様ゲームだよね?王様ゲームのパクリだよなコレ。

妙「もう松平さんったら。またゲームにかこつけてHな事するつもりですね」

松「いや 俺は今回は進行役でいかせてもらう。まァ 若い奴等で楽しめや。将軍様引き当てるのは誰かな〜」

銀・新・桜(いや…っていうか 将軍様いるんだけど)

松「よーし じゃあ始めるぞ」

そう言って松平さんがわりばしを手にもってみんなの前に差し出す。

松「ホラ 早いもん勝ちでくじを引き抜…」

ドゴッ!!ガシャァァゴォォン!!

その瞬間 お妙さんと神楽ちゃんと九兵衛とさっちゃんは松平さんを吹っ飛ばす勢いでわりばしを奪い取った。

新(マジなんだけど。客を楽しませる気0なんだけど)

桜(みんな自分の欲望ことしか頭にないんだけど)

銀(だが これはチャンスだぞパチ恵 エス子。将軍に将軍様になってもらってゲームを思う存分楽しんでもらえば)

桜(大丈夫だよ)

新(わかってますよパー子さん)

私とパー子とパチ恵は目と目で会話をするとパチ恵が動き出した。

新「あーあ待ってください。もう くじがメチャクチャ。しょーがないな」

そう言いながら床に散らばったわりばしを拾い集める。

新「じゃあ 松平さんのかわりに私がくじ持つからみんなで“せーの”で来てください。せーのォォォォ!!」

ドッ!!

そしてパチ恵はテーブルに片足をのせて将軍の前にわりばしを差し出す。それも将軍様の当たりくじだけ他のくじより上にでっぱらせて。

新(将軍引けェェェェ!!)

シュババババッ!!

新「!!」

そしてまたさっきの女共が将軍よりも
早くくじを奪い取った。

新(なにィィィィ?!速いィィィ 将軍棒は…どこ)

みんなはしゃがんで自分の引いたくじを確かめている。
つーか、まだ私と将軍引いてない。
私は床に落ちたくじを2本拾い、一本将軍に渡した。

『これどーぞ』

将「すまぬ」

私は将軍にわりばしを渡したあと自分のわりばしを確認する。
6番か…。

銀「あー私 将軍だわ」

新「!パー子さん!!」

え………ちょっと待て。これ将軍様が……いやいやいやいや…待て待て。私が渡したんだから…そんな訳……

銀「えーとじゃあ 4番引いた人 下着姿になってもらえますぅ」














将「………」

銀・新(将軍かよォォォォォ!!)

あー…やっぱり将軍だった。あのさ……これ…私のせい?違うよね?違うよねー。うん、私しーらね。

銀「ヤベーよ。なんで4番引いてんだよあのバカ殿。ヤベーよ。怒ってるよアレ絶対。勘弁してくれよ。悪気はなかったんだよ。しかも よりによってもっさりブリーフの日に当たっちまったよ。恥の上塗りだよ」

将「将軍家は代々もっさりブリーフ派だ」

銀「ヤベーよ。きこえてたよ。しかも毎日もっさりライフだよ」

『もっさりすぎんだろ。どんだけブリーフ大好き?将軍家』

将「将軍家は代々もっさりブリーフ大好きだ」

『ヤベ。きこえてた』

新「とにかく 早くあのパンツ姿から元に戻してあげないと島流しですよ」

銀「お前か俺、それか桜の誰かが将軍になって…いや、桜は腹黒いから信じらんねーな」

『今回はさすがに何もしないよ。もしも私が将軍になにかやらかして真選組隊士ってことがバレたら死んじゃうから。速攻打ち首だから』

こんなことで死にたくないし。将軍をブリーフ姿にした罪で打ち首とか絶対嫌だから。

銀「そうだったな。じゃあやっぱり俺達の誰かが将軍になって…」

神「うわーまたハズレアル!」

『もうやってるし』

新「ちょっとォォ!!何勝手に二回戦始めてんの!」

オイ キャバ嬢。好き勝手やり過ぎだろ。

妙「やったァァァ!!私が将軍よ!」

新「コイツらもう完全にゲーム楽しんでるよ!将軍お構いなしだよ!」

もう将軍ほったらかしだよね。放置プレー?

妙「んーと どうしよっかな。じゃあ私はァ…3番の人がこの場で一番さむそうな人に着物を貸してあげる」

銀・新「!!」

お妙さんがこっちに向かってウインクする。

新(姉上ェェェ!!さすがキャバ嬢!なんやかんやでお客さんの事を一番に考えてたんですね!プロだよ!アンタこのプロ)

隣で泣きながら笑っている新八。
新八…期待するだけ無駄だよ。
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