真撰組物語

□クーラーはタイマーで切れるようにしてから寝ないと風邪引くよ
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【運に身分は関係ない】


『お妙さん。これ脱がせてください。一生のお願いです』

妙「ダメよ。こんなに似合ってるのに〜。お化粧だけで見違えるわねぇ」

『いや マジこいつ誰ですか』

私は鏡で目の前に写った自分らしき人物を見ていった。

妙「いやぁねぇ〜桜ちゃんに決まってるじゃないの」

お妙さんは私の髪をコテで巻きながらクスクスと笑う。

『…私はこんな乙女チックな桜ちゃんは知り合いにいませんよ』

妙「それは自分自身よ。……はい!できたわ」

そう言ってお妙さんは私の髪を手から離した。髪は横に結ばれ編み込みがされていて、お妙さんに巻いてもらって髪はフワッとしている。

妙「うん、可愛いわ。その着物もとても似合っているわよ」

私の全身をじっくり眺めて満足そうにお妙さんは頷く。私が今着ている着物は白い着物でピンク色の帯を締めたミニ丈の着物だ。

『私には可愛すぎます。なので隊服に着替えていいですか。ホント マジでお願いします』

妙「最近ずっと隊服か袴じゃないの。たまにはオシャレしなくちゃ駄目よ。さ!みんなに見せにくいわよ!!」

そしてお妙さんは嫌がる私の襟首を引っ張りながらズンズン歩いていく。
みなさん、今日のお妙さんは私の話しを聞いてくれません。そして首がしまりそうです、助けてください。

妙「みんな〜桜ちゃん可愛くなったわよ〜」

『ははは……もう好きにして…』

私はもう抵抗するのをやめてお妙さんにされるがままにみんなの前に引っ張り出された。

妙「見違えたでしょ?」

お妙さんは私をみんなの前に立たせた。

銀「ほー 馬子にも衣裳だな『うるさい』

新「一瞬誰だか分かんなかったです!」

そーかいそーかい。もう勝手にしろやー。
すると後ろから店長が出てきた。

店「おお〜!いいじゃないのいいじゃないのこの子!!さすがお妙ちゃんの知り合い」

妙「うふふ 当たり前のこと言わないでください店長」

そう言いながら一升瓶を構えながら店長を見るお妙さん。お妙さん 怖いです。
つーか……松平さんに連絡してないや。ヤバ どーしよ。でももうそろそろ来るでしょ。でも、そこに隊服着てる私がいなきゃおかしくね?

『……メールしとくか』

私は携帯をとりだして松平さんに向けてメールをうつ。

“遅くなってすみません。準備はもうできているそうです。
あと 私は体調がすぐれないので、悪いんですが帰らせてもらいます。
独断で判断してすみません。
責任はゴリラがとるので、煮るなり焼くなり好きにしてください。”

…こんな感じでいいでしょ。まぁ…化粧してるし、さっに新八に誰だか分かんなかったって言われたしバレないでしょ。

『もしもバレたら……連帯責任にしてもらお』

そしてそれからしばらくすると…

「店長ォ!!お客様来ました!」

店「え?!もう どうしよ!」

すると お妙さんと神楽ちゃんと九兵衛 それからさっちゃんとソープ嬢姿の東城さんとキャサリンが一気に走り出して階段をかけ上がった。

妙「みんな早く出迎えに!お水の花道はもう始まっているのよ!」

「「「はい!」」」

その様子を見ていた店長が

店「大丈夫かね?」

銀「やれるさ…奴等なら」

『…それはどうかな』

私は階段のしたの方を見ながら言った。

ズルズルズリ…

キ「チョッ!早クアガッテ」

東「ローションが…すべっ…」

ツルッ!!

ゴシャァッ!!

階段のしたでローションでうまく階段を上がれなかった東城さんとキャサリンはそのローションに滑って床に頭をぶつけて気絶した。

銀「オイぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!何してんだァァァァァ!!」

『お客さんに会う前にイキナリ殉職しちゃいましたね』

完璧に頭が床に埋もれてる。アホだ。
そんな二人に駆け寄る店長。

店「しっかりしろオイ!!何しに来たんだお前ら!!邪魔者以外の何者でもねーよ!」

銀「とりあえず片付けるぞ。不自然だこんなもん転がってたら」

店「気を付けてよ!ズルズルだからコイツら!足元気を付けて!」

ズルッ!!

ゴッ!

………バカ?

新「てっ…店長ォォォォォォ!!」

店「み……店を…頼む」

ガクッ…

銀「店長ォォォォォォ!!
とりあえず片付けるぞ店長も」

新「早っ!!きりかえ早っ!!」

銀さんに“桜も手伝え”と言われたとき、入り口の方から声が聞こえてきた。

「なんだァ?今日は店の娘少なくねーか。もりあがらねーなこれじゃ」

「大丈夫ですよ。あちらにいけば一杯いますから」

銀・新(来た!!)

『あーあ 来ちゃった』

新「どーするんですか?!一杯いるとか言っちゃってますよ!早くしないと!」

銀「!!………」

『とりあえずアンタらが何とかしたら?』

私がそういった瞬間二人は何処かに行ってしまった。その内に入り口から人が入ってきた。

松「何やってんだオメーら 早く来い」

妙「あ ホラ松平さん。みんな待ってますよ」

とうとう来ちゃったよオイ。私はできるだけ顔を見せないように下を向いていると、両サイドに人影ができた。顔をあげてみてみると、ソープ嬢の格好をした…

銀「どーもパー子でーす」

新「パチ恵でーす」

『………えーっと……エス子でーす…』

「「「……………」」」

妙(だからなんでソープ嬢ォォ?!)

銀・新(着替える時間がなかったんじゃあああ!!)

桜(もっとマシな格好あっただろ)

近「アレ なんか今日初めて見る娘が多いな。新人さん?」

すると松平さんの後ろからゾロゾロと人が入ってきた。そう、真選組が。

「「「……………。」」」

銀・新(なっ…なんでェェェェ!!よりによって真選組が…幕府のお偉いさんが来るんじゃ!)

銀さんは私の肩に手をのせて後ろへ振り向かせた。続いて新八も後ろを向いた。そして小声で…

銀「ちょいちょいちょいちょい!!桜ちゃん?!アレは一体どういうことかな?!」

『真選組と警視庁長官だけど?』

銀「そーいうことを言ってんじゃねーんだよ!!お前アイツらがここに来るの知ってたな?!」

『知ってたよ。言ったじゃん電話の時。仕事で来てるって』

新「知ってたなら何で言ってくれなかったんですか?!」

『面白いから』

銀・新「オイッ!!」

それに 中に入った早々お妙さんに着替えさせられて言う暇なかったし。まぁ半分以上面白いからが理由で言わなかったんだけど。

松「なんだァ?みんな後ろむいちゃってよォ」

松平さんの言葉で私たちは苦笑いでゆっくり振り向いた。

新(まずいぞ。あの人達が相手じゃ接客どころか…もう大路を大手を振って歩けない!!銀サン桜サン!!どうしよう…)

新八が青い顔で銀さんと私の方を見ると…

銀「『いらっしゃいませー』」

新「!!」

私と銀さんはあごを前につきだした。

新(銀サンんんんん桜サンんんんん!!まさか……変装しているつもりなのかァ?!やるつもりなのかそれで?!)

銀「しゃくれ!パチ恵 軽くしゃくっとけ」

『しゃくっとけば大丈夫だよ。前にテレビで大地真央が言ってたから』

新(無理無理バレるって。そんなもんブリーフに黒いタンクトップ着て“死神です”と言うようなものだよ!神楽ちゃん このバカ共になんとか言ってくれ…)

そして新八が神楽の方を見ると神楽ちゃんはあごを前につきだして…

神「グラ子です よろしくお願いしますコノヤロー」

新(もうやってるよ!!しゃくっちゃってるよ!!この娘ォォ!!)

神「趣味は十六連射です」

九「………」

すると神楽ちゃんの隣にいた九兵衛がしゃくっている神楽ちゃんをガン見していた。

新(アレ…ちょっ…九兵衛さん?)

九「……趣味はスターソルジャーです」

『あら、可愛い』

新(あら、可愛い…じゃねーよオイぃぃぃぃそれはマネすんなァァ!!どんなキャバクラだァ!!しゃくれバーかココは!)

すると、その奥にいたSM用の丸いもの口にくわえたさっちゃんが…

猿「フガフゴブガ」

新(だからお前は根本的に間違ってんの!!変装でもなんでもねーよ!!)

沖「オイ いいメス豚がいるじゃねーか。ねーちゃん俺が鼻フックよりもっとスゲーもん鼻にブチ込んでやろーか」

『やっちゃえ総悟』

新(オイィィィィ!サド心に火ィつけちまったよ!お前ら頼むからジャンプから出てけ!!金払うから!)

猿「フガフゴブガ(ナマ言うんじゃないわよ。ケツの青いクソガキが。下の毛が白髪天パになってから出直してきなさい)」

沖「言うじゃねーか」

何で通じるの?以心伝心?

土「今日は俺達ゃ遊びにきたんじゃねーんだぞ」

そこで土方さんが総悟を止めた。そして土方さんの言葉で真選組は店を出ようとする。

松「オイ なんだよ遠慮すんなってお前らも飲んでけ」

すると新八が小声で…

新「え?あの人たち飲みに来たんじゃないんですか?一体何しに…」

『あぁ…えっと』

沖「じゃあごゆっくり楽しんでいってくだせェ。俺達ゃしっかり外見張っとくんで」

『それは―』

その時総悟と入れ違いで誰かが入ってきた。それは――

沖「上様」

その瞬間銀さんと新八は真顔になった。

銀・新「…………。」

『私らが今日来た理由は、上様の護衛』

新「……銀さん 今…上様ってきこえませんでした」

言ったよ。

銀「きこえな…いや でもまさか」

だから言ったってば。
銀さんと新八が真顔のまま話し合っていると松平さんに続いて、お妙さん 神楽ちゃん 九兵衛 さっちゃんの順で入ってきた。

銀「ねェ今上様って…」

妙「んなわけないでしょ。どうして天下の将軍様がこんなキャバクラに来るの。さァどうぞ上様 こちらです」

銀「いや 今お前も上様って言ったろ」

神「上様なんてよくある名前アル。領収書なんてほとんど上様ネ」

銀「いやでも」

九「上杉さんとか聞き間違えたのではないか」

銀「………」

猿「フガフゴブガ」

いや 何言ってるかわかんねーよ。つーかアレ 本物の将軍様だから。
でも、銀さんはまだ信じてない様子だ。

松「おーい 将ちゃんこっちこっち」

銀「……それもそうだな。将軍がまさかこんな所に来るわけねーもんな。ホラ 将ちゃんとか呼ばれてるもん」

いや だから将ちゃんが将軍なんだって。
その将軍はお妙さんの隣に座りお酒をついでもらっていた。

妙「カワイイあだ名ですわ 将ちゃんて。でも本名の方も教えて下さいな。私もしりたいわ」

すると将軍が…

将「征夷大将軍徳川茂茂。将軍だから将ちゃんでいい」

妙「ヤダ〜もうご冗談がお上手な方ですね。お仕事は何をなさっているんですか?」

将「だから征夷大将軍だ」

妙「もォ〜てんどんですかホント面白いお方ですね」

お妙さん。隣に座ってるのこの国で一番尊いお方ですよ。…つーか

『銀さんと新八 顔が恐いことになってるよ』
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