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□片時も
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*前作『感情表現』の続きです。前作を一度読んでからの方がわかりやすいと思います。
*裏表現注意です。
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「…おいエレン。次の休みはいつだ。」
あの後、リヴァイとエレンは2人でエレンの作った夕食を食べ、お互い風呂に入った。
今は2人並んでベッドに入り、寝る前の会話を交わしている。
「…次の休みですか?…えっと次は―――。」
と言ってエレンは自分のスマホを手に取り、予定を確認する。
「…あ。明日です。」
「ほお。そりゃ随分急だな。」
「学部の講義も無いですし、ホントは明日バイト入れてたんですけど、もう一人のバイトが変わってほしいって言われて…」
バイトのシフト交換したんです。とスマホを元の位置に戻しながらエレンは答えた。
「なるほど。…じゃあ俺も明日休む。」
「…えっ、そんな勝手にいいんですか?」
「お前はさっきの話聞いて無かったのか。」
エルヴィンから休み貰えるって言っただろ、とリヴァイは上半身だけ起き上がりエルヴィンに電話を掛ける。
「―――あぁ、そういうことだ。よろしく頼む。」
そういってリヴァイは電話を切った。
「…大丈夫だそうだ。」
「そうですか。なんかすみません。…ありがとうございます」
エレンは布団から、ちら、と目だけを見せてリヴァイを見上げて言う。
ベッドライトだけがついているのでぼんやりとした明かりだが、エレンはその明かりからでもわかるほど顔が赤い。
それを一瞥したリヴァイはまた前に向き直り、エレンに言う。
「―――なあ、エレンよ。」
なんですか、とエレンは目だけを出して隠していた顔を布団からだしてリヴァイの話の先を待つ。
「もうじき明日になるんだが…」
そういってリヴァイの方からバサッと音がして、エレンははっとリヴァイのいた横を向く。
だが、見えたのはリヴァイではなくリヴァイの腕だった。
ふ、とエレンはそこから上を見ると、リヴァイの顔が目の前にあった。
「!…ちょ、リヴァイさん、どうしたんですか」
焦ったようにエレンは言う。
「明日はずっと一緒にいるって言う約束をしたが、そんなに煽るって事は一緒にいるって意味は"こういうこと"なんだな?」
リヴァイは顔を近づけエレンの耳元で囁く。
「ち、違います!そういうことじゃなくて………いや、"こういうこと"もしたいですけど…」
最後の方になるにつれてだんだんと声が小さくなり、それに反比例するように顔を真っ赤にしてエレンは言う。
「明日は出掛けたいなって思ってて…その…腰が立たなくなると…どこにも行けないし、それに…」
一番の楽しみは最後にとっておきたいなって…、と言ってエレンは顔を腕で隠す。
―――言い切ってからしばらく間があいたが、リヴァイから何の返答も無いのでエレンはちらりとリヴァイの方を伺う。
すると、彼は口をわずかに開けて固まっていた。
「あの…リヴァイさ…んむっ!?」
エレンがリヴァイに呼びかけようとして開けた唇をリヴァイのそれが唐突に塞ぐ。
「―――ん、ふ…ぁ…ん…」
リヴァイの舌がエレンの口腔に入りこみ、エレンの口内を貪るように舐める。
唐突だったので息をするタイミングがわからなかったのか、エレンの口の端から唾液がつたい、苦しげな声が洩れる。
しかしリヴァイはそれを意に介さないようにして、エレンの頭を片手で持ち上げ、より一層深く口付ける。
「…ぁ、ふぁ、―――〜〜っ!」
さすがに息苦しくなったのか、エレンはリヴァイの服を掴みぐいぐい引っ張る。
それを合図にリヴァイはエレンから唇を離す。
はぁ、はぁ、と静かな部屋にはエレンの苦しげに呼吸する音だけが響いていた。
「…は、どうしたんですか、いきなり…」
「お前が煽ってくるからだ」
「あ、煽ってなんかいませんよ!…本心を言っただけです」
「…そんなにヤって欲しいのかお前は」
と言ってリヴァイはまたエレンにぐっと顔を近付ける。
「えっ、ち、違いますよ!やめてください!」
「…冗談だ」
と言ってリヴァイはエレンの上からどけてエレンの横に寝る。
「なあエレン。明日は何時に起きる予定なんだ」
リヴァイはエレンの髪を梳きながらエレンに問いかける
「…そうですね…そんなに急ぐような所には行かないので、いつもよりちょっとゆっくり起きます。」
「分かった。だがまあ…明日は夜遅くまで起きてなきゃならねえからな、もう寝るか」
と、リヴァイは口角を少しだけ上げて不敵に笑う。
「〜〜〜っ!……わかりました。おやすみなさい、リヴァイさん」
エレンは顔を真っ赤にしながら答えた。
「あぁ、おやすみ」
そういってリヴァイはベッドライトを消した。