ベイカー街の亡霊と迷宮の十字路

□ベイカー街の亡霊
1ページ/5ページ

『遅かったね
何処行ってたの?』


「ちょっと街を探検に」


「ノンキだよなあ、対決の日だってのに」


朝刊を売っている少年からコナンが新聞を買い、持ってきた


「これだ!!」


『今宵、オペラ劇場の舞台を掃除されたし。
MからJへ』


「MからJへ
モリアーティからジャックザリッパーへ」



「舞台を掃除って
それが指令なのか?」


『舞台に登場する役者を殺害しろという意味だとしたら!?』

「あった!!」

『凱旋公演!!
ワルシャワ王室オペラのプリマドンナ、アイリーン・アドラー!!』


「誰なんだ?
アイリーン・アドラーって」


『ホームズが生涯で唯一愛した女性と言われてるの』


「ホームズの愛する女性を殺しのターゲットにしたってことね」



哀が言う
それから奈々美達は夜まで休憩する事に


・・・・・・




辺りがすっかり暗くなった頃、皆は花束を持ってオペラ劇場の楽屋にと向かっていた



「こらっ!!
ここから先は関係者以外立ち入り禁止だ!!」


『私達、アイリーン・アドラーさんの知り合いなんです。
本番前に激励を』


「おう、彼女の知り合いかね?」


『はい!!
控え室はドコですか?』


「それなら一番奥でポスターが貼ってある部屋だよ!」


『ありがとうございます』



皆は教えてもらった部屋の前まで進んだ





『ここだよね!!
どんな人だろう?
ワクワクしてきちゃった』



「(父さんが作ったキャラクターで、ホームズが愛した女性と来りゃ)」


コナンが苦笑している横で、奈々美が扉をノックすると、中から声がかかり、コナンが扉を開けた


「失礼します」


椅子に座っていた女性がこちらを振り向き見せた姿は、有希子そっくりの姿だった



『新一先輩のお母さん!!』


「(やっぱり)」



「失礼ね!
私はまだ独身よ!!
正確に言うと、離婚して独身に戻ったんだけどね」


「ホームズさんから花束です」


「まあ、ありがとう!!
ホームズさんはどちらに?」


『今日の公演楽しみにしていたんですが、事件で出かけて伺えないんです』


「そう、残念ね」


アイリーン・アドラーは残念そうな顔をする



「今夜の舞台は中止してください!!
ホームズさんの宿敵、モリアーティ教授があなたに殺し屋を差し向けたんです!!」


「何のために私を?」


『あなたを失った時の、ホームズさんの悲しみを見たいんです!!』


「ふ、私も見てみたいわ。
ホームズさんが、どのくらい悲しんでくれるのか」




『いいんですか?
ジャック・ザ・リッパーの5人目の犠牲者になっても!?』


「みなさんが守ってくれるんでしょ?
ホームズさんの代わりに」


『あっ』



全く動じない様子のアイリーンに、奈々美は何も言えなくなってしまった
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ