ベイカー街の亡霊と迷宮の十字路
□ベイカー街の亡霊
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「おい、あの時計、おかしくねぇか?」
その言葉に、奈々美達も上を見上げると、50分を差していた長い針が51分へと進むのではなく、49分へと戻った
「針が戻ったぞ!」
「あっ、また戻りました」
「50分から49分?
そして48分。
そうか、あれはゲームに参加している子供の数だ!!」
「2分戻ったってことは」
『誰か2人、別のステージでゲームオーバーになったのね!?』
奈々美達は再び歩き始める
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数分後、先頭を歩いていたコナンは、曲がり角を曲がった所で何かを見付け、後ろの奈々美達を制して自分も角に隠れた
曲がった先に居たのは2人の警官だった
「マイター・ストリートの路地裏で、また犠牲者が出たらしいぞ」
「1時間に2件、これで4件目か」
「まったくひでえ世の中だ」
2人の警官はこんな事を話していた
「怖いね」
「大変な時代に来てしまいましたね」
「世紀末のロンドンは、大英帝国最後の最も良き時代だったと言われてるけど、実際は貧富の差が激しくて、犯罪は悪質化し、人々の心が荒んでいった時代よ」
『そういえば、新一先輩に聞いたことがある。
シャーロック・ホームズが時代の光だとすれば、ジャック・ザ・リッパーは暗い影だったって』
「じゃあ時代の光に向かって急ごう!!
ベイカー・ストリートまであと少しだよ!!」
コナンの言葉に歩き出した奈々美達
すると、奈々美達の前から、アコーディオンを鳴らしながら男の人がやってきた
「ジャック・ザ・リッパーに気を付けろぉ
夜道でオマエを待ってるぞぉ
死にたくなけりゃどーするかあ
オマエも血塗れになるこったぁ♪」
『どういう意味だろ』
「やられる前にやれってことじゃねぇか?」
「(血塗れに?)」
少し疑問が残るが、奈々美達はホームズを目指し、また歩き始めた
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