ベイカー街の亡霊と迷宮の十字路

□迷宮の十字路
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「あれ、服部くん?」

「何でここに?」

「いや、町で偶然クド…やのうてこのボウズと会うてな!!
一緒に絵ェの謎解こ思て」

「それで、絵ェの謎は解けたの?」

「まだや、結構難しいなぁ」

平次は苦笑い

「ところで、おじさんは解けたの?」

『「それがねぇ』」

「?」


・・・・・・・・

ー先斗町、茶屋桜屋ー


「いよッ、千賀鈴ちゃん!!日本一!!」


「おおきに、おめだるおす」


「さ、毛利先生にお酌して」


「はい」

千賀鈴は言われると、小五郎の横まで行き、お酒を手にした


「ごめんやす」


「いやぁ、もう小五郎ちゃん、天にも昇りそう!」

小五郎が言った、そのとき

「そのまま昇ってったら?」

『お姉ちゃんのいう通りだよ』

「ぶっ」

蘭と奈々美が後ろから小五郎にそう言った瞬間、小五郎が盛大にお酒を吹いた。



「オ、オマエ達!!どうして!?」

「へへえ!住職さんが教えてくれたんだ!」

小五郎が聞くと、園子が答える

「そうですか、住職さんが。
ほな皆さん、ご一緒にいかがです」

「すみません、お邪魔します」

園子は座り蘭たちも座っていく


「あれ?アンタ、宮川町の」

「へえ、千賀鈴どす!!
その節はおおきに」

「知り合いなん?平次」

「あぁ、ちょっとな」

平次と和葉が話し

「もう、ちょっと目を離せばすぐこれなんだから!!」

『恥ずかしいよ、お父さん』

奈々美と蘭が小五郎を怒る

「蘭さん、奈々美さん。
お父さんを叱らんといてあげてください!!
お誘いしたのは私らなんですから」

「そうや、名探偵に源氏蛍の事件、推理してもらお思てな」

「源氏蛍言うたらメンバーは皆メンバーは、義経記を持ってはるそうどすなあ」

桜達が話していると女将が会話に入ってきた


「ワシも持っとる。
あれはエエ本やで!!
なあ、古本屋」


「ええ。
けどボクはあんまり好きやおまへん。
義経記言うても、実際は弁慶の活躍を描いた弁慶記ですから」


「私は好きやで?
特に安宅の弁慶は最高やで!!」


「安宅って何ですか?」


「能の出し物の一つや!!
頼朝の追っ手から逃げる途中、義経と家来達は山伏に変装して、安宅の関所を抜けようとするんやけど」


「変装を義経だけが見破られそうになってな!!
弁慶はとっさに金剛棒で義経を叩いたんや!!」


「え?どうして?」


「関所の番人を欺くためや!!
まさか家来が主君を杖で打つなんて考えられへんやろ!?」


「それで、義経一行は無事、関所を通過できたんや!!
後で弁慶は涙ながらに義経に謝るが逆に義経は弁慶の機転をほめる!!
2人の絆の深さがわかる、エエ話やな」


「・・・・・・・・・」


平次は黙って聞いていた


「えらいすまんけど、ここんとこ寝不足でな!!
下の部屋でしばらく休ませてもろてもエエやろか」


「それやったら、今晩は他のお客さん、いてはらへんし。
隣の部屋で」


「いや、下の方が落ち着いてエエんや」

そう言うと、桜は自分の時計を見た

「そやな、9時に起こしてもらおか。
いや、皆さんは楽しんどってください!」

立ち上がってニッコリ笑って言うと、桜は女将と共に部屋を出ていった
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