ベイカー街の亡霊と迷宮の十字路

□迷宮の十字路
1ページ/4ページ

「やっぱり京都はあたしたち日本人の故郷よね!!」


「いいか!特別に連れて来てやったんだから、仕事の邪魔すんじゃねーぞ!!」


「「はーい」」

『「はーい」』


駅から外に出た奈々美達は、タクシーを拾い山能寺に向かう。
寺の門をくぐって中に入った私達に、一番に気づいたのは山能寺の僧、竜円さん。


「毛利さん!遠いとこ、ようおいでくださいました!
私、お電話を差し上げた竜円です!!

ご紹介します、住職の円海です。
こちらの3人はうちの檀家の方たちです。
桜正造さん。寺町通りで古美術展を経営してはります。」



「アンタはん、あの有名な毛利小五郎はんか」


「あ、いやぁ、そんなに有名っすか!?」


「お隣が能の水尾流の若き宗家、水尾春太郎さん。
そして古書店をやってはる西条大河さん」

「よろしゅう頼んます」

「まあ、檀家と言うより剣道仲間ですな」

「ほぉ、皆さん剣道を。それでご住職も矍鑠としてらっしゃるんすなぁ」


小五郎が感心の声をあげる。


「ところで、このお寺には12年に一度だけ開帳される秘仏があるそうですな」


京都ガイドブックに載っていた情報を、小五郎が聞いた。


「はい、ご本尊の薬師如来様が」

「明々後日から一般公開ですよね。私たち、それも楽しみにして来たんですよ!」

「それはそれは、薬師如来様も喜ばれはることでしょう」


住職さんのことを、竜円さんがじっと見た。


・・・・・・・・


「何ですって!?ご本尊が盗まれた!?」


「はい、もう8年前のことになります」

「向かって右が日光菩薩像で、向かって左が月光菩薩像。


けど、中央にいてはるはずの薬師如来様が賊に。私
はすぐに警察に通報しましょうと言うたんですが住職様に止められました。
縁があったら、また戻ってくることがあるかも知れん言われまして」

「んな、悠長な」


竜円さんは再び話し始めた。


「そして8年の歳月が流れ、ほんの5日前、寺の郵便受けにこれが」

「切手はなし、差出人も名前もなしか」

中を開けると、


「この絵の謎を解けば、仏像の在処が判る」

「なんだこの絵は」

この絵の謎を解けば、仏像の在処が判るという紙と絵が描かれている紙の2枚が入っていた。

・・・・・・・・・

それから

「んー、何なんだよ。この絵は一体」

もう時刻は夕方になっていた

「一番上の5段目に描かれているのは、蝉と天狗と金魚だね」


「その下の4段目に鶏とドジョウかしら?」

「黄色いドジョウなんて気持ち悪ーい」

『この点みたいなのは何だろ』

「ただのシミでしょ?」

「3段目と2段目の間に、スミレと天狗とと富士山?」

「横にどんぐりもあるよ!」

『ねぇ、お父さん。
明々後日までに見つけられるの?』

「し、心配すんな!!
こんな絵、俺様にかかれば謎でもなんでもねぇよ!!」


小五郎は険しい顔をしながら紙を見る

「ねぇ、仏像探しはプロに任せて、私たちは京都見物しようよ!!」

「そうしろそうしろ!
お前たちがいても邪魔なだけだ!!」

園子がいうと小五郎が返答する

「実はね、和葉ちゃんに連絡してあって、明日京都を案内してもらうことになってるんだ!!
ただ服部君は用事があって来られないんだって!!」

「彼女が決まってる男はいなくてOK!」

『コナン君も行くでしょ』


「あ、ボクはいいよ。
近所の子たちと、釣りに行く約束を」


『もうお友達が?でも気をつけるのよ?」

「うん!!」

奈々美の言葉に頷くコナン
こうして奈々美、蘭、園子が一緒に行動することになった
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ