大まる 恋人シリーズ

□大まる
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「まだ、始まってないな」

「まだ後五分あるもん」

「ふぅ」


後五分で花火大会が始まる

「でも人いない」

「ここは穴場だ。
人がいなくて当たり前」

「えっ」


ももこは大野を見る



「昨日下見に来たんだ。
ももと2人で花火を見たかったからな」

「けんちゃん」


「大勢でみる花火大会もいいけど、初めての花火大会だしな。
どうしてもももと二人で見たかった」


大野の言葉を聞くとももこは静かに大野の着物の袖を掴む



「もも?」

「ありがとう//けんちゃん」

「どういたしまして(微笑)」

ももこが照れながらお礼を言うと大野は優しくももこの頭を撫でる
すると、ドンドンと花火が打ちあがる

「始まったぞ。
顔上げろ」

「うん!!」

ももこが顔を上げると綺麗な花火が打ちあがっていく

「綺麗」

「だな
(花火も綺麗だけど、ももの方が綺麗だぜ)」



大野は花火を見ながら言い、大野は花火を見ながら心に思う
花火のお陰でももこがもっと綺麗に見える



「もも」

「どうしたの」

「薬指出してくれ」

「何で?」

「いいから」

「う、うんっ」


「視線は花火を向けたままな」

ももこは大野に言われたとおり、視線を花火に向けたまま左指を出す。
大野はポケットから先ほど買った指輪の箱を取り出し、指輪を出すとももこの左指にはめる
サイズは大丈夫みたいだ

「もも、もういいぞ」

「うん」

「今度は左手の薬指を見て」


「薬指・・・あっ」

大野に言われて左指を見る
何もしていなかったはずなのに指輪がはめられていた


「けんちゃん」


「俺たちはまだ高校生だし、すぐ結婚はできねぇ」

「うん・・・」

「でも俺が大人になったら必ず結婚指輪を渡す」

「けんちゃん」

「もうちょっと待っててな」

「うん・・・待ってる」


「もも、愛してる。
俺が愛してんのはももだけだ」

「まる子もけんちゃんが大好き
まる子が好きになるのはけんちゃんだけだよ」



大野とももこは、ゆっくりキスをし抱きしめあっているのであった


ー終わりー
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