黒バス長編

□一緒に戦わせてください
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「なんでこの森はウリボアが多いんだよ!」

火神は苛立ちながら剣を振るう。

黒子と出会ってから数日、森を移動していたらまたウリボアと戦闘する羽目になったのだ。

「おらっ!」

出来るだけ派手に大剣を振り回す。
そうすることでウリボアは火神を脅威と認識し、火神の方に注意がいく。
火神にだけ注意を注いでいた一匹が急所を攻撃され絶命した。
黒子だ。

黒子の影の薄さはモンスターにも適応される。
それを生かしたのがこの不意打ちだ。
火神が派手に動くほど黒子の奇襲攻撃が生きる。
もともと戦い方が派手な火神には黒子がとても相性がいい。

黒子がまたウリボアを仕留めたのが視界の隅に入り火神は口角をあげた。

「炎牙!」

炎をまとった大剣を横に振り、炎牙と呼んでいる炎を放つ。
炎牙は水平方向に進みウリボアを文字通り牙のようにウリボアを攻撃している。

もう一発、と同じように炎牙を放つがその先にウリボアが殆どいないことに気付いた。

「チッ…」

変わりに黒子が炎牙の軌道の先へ走っていた。
黒子は炎牙に手を伸ばすとウリボアのいる方向に手を振った。
黒子の手の軌道に従って炎牙の向きが変わる。
炎牙はそのままウリボアを攻撃していった。

「まじかよ…。」

黒子が術を放つ方向を変えることが出来たなんて知らなかった。

「火神君、もっと術をください!」

頼もしさを感じる黒子の声に応えるように火神は炎を出した。

「火炎玉!」


ほどなくして戦闘は終わった。

「黒子,お前凄い特技持ってんじゃねえか!」

「ありがとうございます。今回戦って判りましたが僕と君は相性が凄い良い。」

黒子に指摘され火神が確かにと頷く。

「これならキセキも二人であっさり倒せるんじゃね?」

「それは甘いですよ。彼らを侮ってはいけません。それに殆どのキセキがどこかのチームに属して居るんです。」

「それがなにか問題なのかよ。」

黒子は呆れたようにため息をつく。

「彼らには仲間が居るということですよ。僕達だけでは太刀打ち出来ません。」

「じゃあどうすんだよ。」

「仲間を集めましょう。僕達と同じように帝光理念が間違っているとわかる仲間を。」

「なるほどな。」

「その為にも早くこの森を抜けて街で情報を集めましょう。」

黒子の持っている地図によると近くに誠凛というチームがある。
もともとそこを目指していた黒子の情報ではそこは「守りたいものを守るチーム」らしい。
そこなら打倒キセキに力を貸してくれるのではと考えた二人はそこを目指した歩き出した。
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