黒バス長編
□捕まえた
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誠凛結成から数ヶ月が経った。
付近にチームがいないことからか依頼も多く順風満帆といった様子だった。
「人攫い?」
「そう、最近多いんですって。
特に属性持ちの人を狙ってるらしいの」
属性持ちの力を抑えるというアイテムが裏で流通している昨今は属性持ちを奴隷として働かせるチームや商人も少なくない。
「胸糞悪い話だな。」
日向は不機嫌そうだ。
「そういえば金属性も狙われたなぁー。
ん,木吉どしたの?」
「いや。ちょっと,な…」
木吉は考え込んでいたようだ。
その時玄関の方から爆発音が聞こえた。
「なんだ!?」
一斉に玄関へと駆け出した。
玄関には眉毛が特徴的な男を筆頭に凶悪そうな男達が集っていた。
彼らが爆発を起こしたのだろう。
「お宅らが誠凛?」
眉毛が特徴的な男が一歩前に出てきた。
「何の用だ花宮!」
意外にも木吉が怒鳴った。
「あれ?木吉クンじゃん。
久しぶり」
花宮と呼ばれた男は柔和な笑みを浮かべているが,それが仮面でしかないことがわかる。
「知り合いなのか…」
「あぁ,無冠の五将の1人悪童の花宮だ。」
「悪童って…」
「花宮は演技が巧いからな。
善人のふりをして人を騙すんだ。」
木吉の台詞に花宮は肩をすくめる。
「酷い言い草だなぁ。
今はそんな面倒くさいことしないで力ずくでやってるしねっ!」
花宮が手から炎をだし誠凛に向けて放つ。
水戸部の出した水と炎がぶつかり合う。
しかし僅かに水戸部の術が押し負けた。
「嘘っ!?」
水属性と火属性の方が有利である。
火属性が水属性に勝つには水属性の力を上回らなければならない。
小金井は水戸部が火属性の術に負けるのを初めてみた。
「土田、カントクを頼む。」
このままだと戦闘になると判断した日向がリコを拠点の中にいるように指示する。
「あいよ。」
土田がリコを連れて中に消える。
土田も全く戦えない訳ではないので万が一の事があっても大丈夫だろう。
「あっ、因みに俺達霧崎ってチームで〜す。
どうぞヨロシク」
言うと同時に攻撃を仕掛けてくる。
日向達も武器を構え攻撃を迎え撃った。