パロ
□雷獣轟く
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「はぁぁぁ!!」
黒子が鎌を大きく振りかぶり小金井に向けて横に薙ぐ。
小金井は出来るだけ衝撃を殺しながら刃に変化した右腕で受け止めた。
そのまま鎌の刃の部分に自身のを滑らせるようにして黒子との距離を詰める。
黒子は驚きつつも蹴りで対応し即座に距離をとる。
体勢を整える隙を与えまいと小金井が肉薄する。
しかしそれを読んでいた黒子が小金井の刃を受け止めた鎌を引いた。
「うわっ!!」
前のめりになりバランスを崩した小金井に素早く鎌を翻し小金井の首筋に鎌を添えた。
「参りました…。」
小金井が両手を上げてふるふると首を振れば、先ほどまで張りつめていた緊張が一気に緩んだ。
黒子は鎌を手放し鎌は火神へと姿を変える。
「凄い…」
黒子と小金井の模擬戦をずっと見ていた降旗がぽつりと零す。
隣で見ていた日向達はお疲れと三人に声をかけている。
「特訓の成果か黒子も火神も動きが良くなってきたな。」
と伊月が感想を述べると、
「だよな!!最後のあれ、俺超ビビったもん!!」
あの鎌の操作は波長合ってないと厳しいわー、と興奮気味に小金井が告げる。
今日は宮地達が四人で課外授業に行ってしまったので残ったメンバーで組手などの鍛練に励んでいた。
「あっ、いたいた!小金井さん、ちょっといいっすか?」
そこにやって来たのは死武専中央情報局に所属する高尾和成だった。
「高尾じゃん、俺に何か用?」
高尾軽く辺りを見渡して宮地達はどうしたのかと訊ねた。
小金井が課外授業だと伝えるもあちゃー、と顔をしかめた。
そして言いにくそうに口を開いた。
「実は小金井さんに善人の魂を狩っていると疑惑がかかってるんです。」