パロ

□武器と職人が仲直りなう
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「「小金井―――!!」」

保健室で降旗とのほほんと談笑していた小金井だが、それは大声で名前を叫んでやって来た来訪者達によって中止させられた。
森山と福井を先頭に武器達が次々に保健室へとやって来た。

「笠松達がすごい武器を取りに行ったって本当か?」

森山が不安そうな感情を隠しながら小金井に訊ねる。
あんな喧嘩をした直後に武器を取りに行ったと聞けばパートナー解消を求められると考えるのも無理は無いだろう。

「はい、聖剣取りに行ったみたいですよ。」

「なっ!?」

後輩がいる手前ポーカーフェイスを気取っていた福井から驚きの声が零れる。

「まさか宮地の奴、遂に刃物系に…」

「笠松の奴もう少し刀身長い方がが良いって言ってた…」

膝を折り、項垂れる福井と森山。
そんな先輩を励まそうと伊月が駆け寄る。

「先輩落ち着いて下さい。いくら先輩達程の職人でも聖剣は確か選ばれた者しか使えませんから…」

伊月の言葉に二人揃って口を開いた。

「「あいつが聖剣に選ばれない筈がない…!!」」

なんやかんや言いながらも森山や福井
にとって笠松や宮地は自慢の職人なのだ。
そんな彼らが聖剣に選ばれない筈が無い、しかしそうなれば自分は不用になってしまう…。

「というかお前達は不安じゃないのか!?」

森山が伊月達三人を指差す。

「えっ…。いや、俺達は日向は剣なんて使わないだろうと…。」

だよなー。と木吉も伊月に同意する。
彼の場合本当に自大を把握しているのかと不安になるが、日向への信頼度は抜群だから問題ないのだろう。

「俺も黒子が聖剣なんて使える筈が無いと思ってるし…」

火神が視線を反らしながら言った。
黒子の実力があのチームで一番低いのは火神が一番解っている。
だからそこ自分と強くなるべきなのだ。

「火神のその考えは甘いかもよー。聖剣って案外誰でもOKだから。」

「コガ、聖剣について知ってるのか?」

「うん。ある程度実力のある職人は結構行かされるよ、あの授業。」

「じゃぁコガ先輩も言ったことあるんですか?」

降旗が驚きを隠さずに小金井に訊ねる。
聖剣をそんな誰にでも取りに行かせて良いのだろうか。

「うんまぁ。聖剣のある洞窟はそんなに危険じゃないし、多分優秀なNOTでも行けるよ。」

「でもなんでそんなに職人に取りに行かせて誰も持って帰って来ないんだ?」

「あー…それは…その、なんていうか…」

いきなり吃り出した小金井に面々は疑問符を浮かべる。

「聖剣、黄瀬って言うんですけどあいつは割りと誰とでも魂の波長は合うんですが、人としての波長が合わないんです。」

「…それはつまりどういう事だ?コガ」

同期の中でもトップレベルの頭脳をもってしても意味が解らなかったらしい。
木吉が再度意味を訊ねる。

「ようするに聖剣は性格に問題アリなんだよ。武器と職人の喧嘩がたちまち仲直りすぐらい」

わざわさこの授業に行かせた教師の意図が分かった気がした。
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