パロ

□武器と職人で喧嘩なう
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結局、その日の課外授業は散々だった。
逃げる標的を撃とうとした日向は力みすぎたのか珍しく何発も狙いを外し、魔女狩りを放とうとした黒子は制御しきれず危うく同士討ちという笑えない自体を引き起こしかけた。
電光石火で追い付いた小金井が足止めし宮地がとどめを刺して無事魂の回収できたが、内容が酷すぎる。
因みに笠松が戻ってきたのは敵を倒してから一時間以上後の事だった。

「とりあえず、今回の反省点を述べていけ。」

最近現れた三人の魔女に対抗する為に組んだチームでの初ミッション。
全員日本人なこともあり連携もそこそことれている。
にも関わらず見せた今回の醜態は彼らにとってもショックだった。

「そういえば日向、今日はやけに外してたな。」

宮地が感じた事を素直に指摘すると日向は顔を赤くしながら伊月を睨んだ。

「それは伊月のダジャレの所為です。」

「そういえば今日はいつもより多く言ってたなぁ…。」

ダジャレは黒子や小金井も聞いていた。
確かに戦闘中ににあんなこと言われたら堪らないだろうなぁど宮地と黒子は考える。

「黒子、お前のあの魔女狩りはなんだ。」

続けて福井が思い出したように黒子のミスを指摘する。

「少し威力を上げてしまい身体が耐えれませんでした。」

いつも以上に増幅させた魂の波長を黒子は扱いきれず体勢を崩して転び、敵ではなく味方のいる方に放ってしまったのだ。

「あれは洒落にならないから以後厳重に注意するように。」

「頼むぜ黒子、魔女に叩き込もうとして味方を斬るなんてゴメンだぜ。」

火神がいつものように黒子の頭に手を乗せポンと叩くが黒子はそれを振り払い火神を睨んだ。

「なに全部僕が悪いみたいに言ってるんですか。」

「なんだよ。魔女狩りの威力に耐えきれず後ろに転けたのはお前だろ。」

「でも僕が耐えきれない位にまで威力を上げたのは誰ですか。」

武器は職人の魂の波長を増幅させ、職人はその波長の力で敵を攻撃する。
そのバランスが崩れたのが今回の原因だろう。

「でも、これから魔女狩りの威力を上げていこうって言ったのお前じゃねぇか!


「だからって限度があるじゃないですか!もう少し僕の意向に沿って下さい!」

「まぁ落ち着けって火神、職人の意見はちゃんと聴かねーと。」

喧嘩に発展しそうになった火神を宥めようと伊月が二人に割って入る。

「おい、伊月。お前も人のこと言えねえんじゃないか?」

まだ怒りが納まっていない日向が伊月に食って掛かる。

「俺もいつもそのダジャレ止めろって言ってるし、今回は弾の出力上げろって言ったのにダジャレで誤魔化しただろ!!」

俺の意見もちゃんと聴けよ!と怒る日向を宥めようと小金井が口を開こうとしたが、木吉に遮られる。

「でも、日向だって俺達の意見全然聞いてくれないだろ?」

お互い様だと笑いたかったその一言は日向だけでなく、他の面々の堪忍袋の緒まで切ってしまった。
武器と職人に別れお互いに溜まっていた怒りをぶつけ合ってしまったのだ。

「いつも女見付けたら直ぐにそっちいきやがって!!」

「だからって俺を叩きつけたりするなよ!!」

「いつも俺は鈍器じゃねぇって言ってるだろ!!」

「お前攻撃手段少ないんだから仕方ないだろ!!」

喧嘩を諌める立場の筈の先輩組まで喧嘩になり収拾が着かなくなってきた。

(かなりヤバいなぁ…。)

互いの魂の波長が微かにずれているのを感じながら小金井はため息を吐いた。

「こういう時のムードメーカーだよね!」

覚悟を決めて乱闘に発展しそうな集団に声をかける。
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