パロ

□幽霊船 後半
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遺跡の時も奥にあったので今回も、という小金井の予想通り魔方陣は船の一番奥にあった。
遺跡の時と同じ陣が床に大きく刻まれている。

「これが魔方陣…」

初めて見る日向達は珍しそうに観察している。

「で、コガ。これをどうする?」

魔方陣を靴の先でつつきながら伊月が訊ねる。

「う〜ん…。前は福井さんに焼いてもらったからなぁ…」


万が一にも船の底に穴が空いてしまっては困るので日向達に任せる訳にもいかない。

「時間かかるけど削ろうか…」

小金井が右腕を刃に変化させ魔方陣に近づいた。
すると魔方陣が輝きだした。

「ッ!!」

小金井が慌てて距離を取り、日向も二丁の銃を構える。
現れたのは巨大な蛇だった。
大蛇は小金井達の姿を見つけると丸のみしようと大口を開けて突進してくる。

「なんだこいつ!?」

日向が二丁銃で連射するが硬い鱗がその攻撃を鎧の様に弾き返す。

「効いていない!?」

ダメージが浅い事はあっても効いていない事など今まで無かった日向は驚いた。
なんせ木吉はデスサイズ並の威力を誇るのだ現在は少し加減しているがそれでも信じられない。

「日向!!多分コイツら魔女の造った魔法生物だ!!生半可な攻撃は通用しない!!」

「チッ…!伊月!モードチェンジだ!!」

「了解!!」

日向が眼鏡を投げ捨てる。
代わりに伊月が銃から形を変えてバイザーとなり日向の視界を覆う。
木吉の威力を最大限生かすための照準器モードだ。
日向の視界にポインターが現れ照準を大蛇に合わせた。
照準を合わせるのは伊月に任せ日向は魂の波長を込めることに集中し引き金を引く。
見事弾は命中し大蛇の首は後ろ仰け反った。
鱗にも亀裂が入っている。

「ナイス日向!」

小金井が亀裂の入った箇所に刃を突き立てようと大蛇に肉薄する。
しかし、亀裂が入った場所に刃は届かず大蛇に振り払われた。

「っと…」

うまく受身を取り着地するが、大蛇がもう一撃加えんと小金井に迫る。
そこに日向がすかさずもう一撃見舞する。
今度は一部の鱗が砕け散った。

(大ダメージには到らねーのかよ!!)

くそったれ、と内心で悪態を吐きながら、日向は自分目掛けて降り下ろされる尾をかわす。
自分が先程まで居た場所が粉々になるのを見て冷や汗が伝う。
このままではヤバい。
そう本能が告げる。

(早くキリをつけねえと!)

気を引き締めて銃を握り直す。
後方からの自分はとにかく接近攻撃を繰り出す小金井は必然的に傷が増えている。
にも関わらず、こちらが与えたダメージは未だ鱗を砕いただけに過ぎない。
疲弊して動けなくなる前に出来れば大技で一気に叩いてしまいたい。

(狂気を使うか…?いや、でも…)
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