黒子のバスケ
□その後ろ
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朝、水戸部はいつもの場所で小金井を待っていた。
この場所で小金井を待って一緒に登校するのが水戸部にとっては日課である。
数分もしない内に小金井の姿が見えた。
おや、と水戸部は首を傾げる。
小金井の直ぐ後ろに誰か居るのだ。
小金井とほぼ同じの背格好で兄弟かと思ったが小金井には姉がいるだけだ。
「水戸部おはよー!!」
おはよう、と声に出さずに挨拶を返す。
気がつけば小金井の後ろには誰も居なかった。
不思議に思いながらも水戸部はそのことは気にせず小金井の話に耳を傾けた。
朝練の最中伊月は体育館の入り口に人影を見た。
プレーしながら鷲の目でちらりと見ただけだったが、確かに居たのである。
誰かがバスケ部に用事でも頼みに来たのかと思い入り口の辺りを窺うが誰も居ない。
「気のせいなのか…?」
「伊月どうした?」
何かを捜しているような伊月に土田が気づき一緒に付近を見てみるがやはり居ない。
「もしかしたら伊月のファンの女子なんじゃないのか?本人が来たからつい逃げたとか。」
「いや、多分男だった。コガぐらいの背丈の」
結局人影の正体は見つからず、もやもやしたものを抱えたまま朝練は終了となった。