黒子のバスケ

□意外な彼らの勉強会
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「う〜、黒子っちぃ…」

休日の昼下がり、海常高校1年黄瀬涼太は、誠凛高校近くの図書館でうなだれながら課題をこなしていた。

今誰が見ても彼をモデルだと思う者はいないだろう。

何故神奈川の学校の彼がここに居るかと言うと、彼の友人黒子テツヤに会いに来たのである。
しかしこの時期は体育祭や文化祭の間に潜む悪魔、中間テストの時期である。
当然部活は休みであった。

黒子にメールしたものの
『勉強してるので来ないで下さい。』
と返って来たため黒子の家に行くとも出来なかった。

家に帰っても寝てしまうと考えた黄瀬は図書館にて勉強する事にしたのである。
彼も実はテスト前である。

「うぅ〜。解んないッス…」

「あれ?黄瀬じゃねーか」

不意に名前を呼ばれ顔をあげるとそこには中学時代のチームメイト青峰大輝がいた。

「えっ?青峰っち?なんでこんなところに?」

「そりゃこっちセリフだっつーの。俺は勉強。」

そう言ってカバンの中の課題を見せる。

「青峰っちが…、勉,強…!?」

勉強嫌いの代名詞のような存在がこんなところで勉強するなんて!!
黄瀬はよくわからない驚きと感動を感じた。
「しゃーねーだろ。これ終わんねーとテツとバスケ出来ねーんだから。」

「えっ!?黒子っちとバスケ!?」

「おう。せっかく寮を抜け出して来たのにさつきのやつが余計な事しやがって、これ終わらないとテツや火神とバスケ出来ないんだよ。」

「そーなんッスか…」

恐らくテスト勉強が嫌で寮を抜け出した青峰に気づいた桃井が、脱走先であろう黒子に課題を渡しておいたのだろう。
この時期はどこもテストらしい。

「なら青峰っち一緒に勉強しないッスか?
2人でやれば早く終わるッス!」

青峰の課題を終わらせれば黒子達とバスケが出来る。黄瀬はそう考えた。

「おう、そうだな。」

バスケに釣られた黄瀬が課題をやってくれる。青峰はそう考えた。

「よし、頑張って早く終わらせようぜ」

そう言って意気揚々と2人は課題を広げた。
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