黒子のバスケ
□その後ろ
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降旗は授業をぼんやりと聞きながら、なんとなく秋晴れの空を見た。
雲ひとつない澄んだ青空の下では2年生が体育を行っているのが見えた。
(先輩達いるかな…)
授業そっちのけで知ってる顔を探そうと窓を覗きこむ。
(あれ…?)
集団でサッカーをしている隅に彼らを見つめている少年が居た。
一瞬小金井かと思ったが彼は元気にコートの真ん中でボールを蹴っている。
あまりにも背丈がそっくりだから見間違えたのだろう。
(俺以外にも小金井先輩にそっくりな人いるんだな)
自分もよく三白眼や背丈が似ていると言われるがあの少年はそれ以上に似てるように感じた。
もう一度その姿を見ようと窓を覗きこんだがその姿は何処にもなかった。
昼休みに火神、福田、河原は昼食を買いに行こうとしているであろう小金井を見つけた。
因みに降旗と黒子は図書委員の用事で不在である。
「あっ、小金井先輩だ!」
呼んでみたものの距離があった上に小金井は水戸部と談笑していて気づかなかった。
「ん?なぁ、小金井先輩の直ぐ後ろにいる人先輩に似てね?」
河原が指差す先には小金井と同じくらいの背丈で同じ髪色の人物だった。
顔は見えないがその他の特長がかなり似ている。
「先輩、弟とかは居なかったよな?」
「多分。この世にはそっくりさんが三人居るってほんとなんだなー。」
一応、兄弟はいないのか部活終わりに訊いて見ようと思った三人だが、小金井に視線を戻すとその姿はもうなかった。