シンジャ小説
□私の消えた下着を知りませんか?
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土曜の朝9時。
いつもより遅めの起床だ。
今日は可愛い奥さんと買い物にでも出掛けようか、と考えながらリビングのドアを開く。
するとリビングのソファに体育座りをしながら、難しそうな顔をしている嫁がいた。
「う〜ん…」
どこにやったっけと一人でぶつぶつと呟いていて、俺に気付く気配はない。
ジャーファルのことを驚かせてやろうと、物音を気にしながら近付いていく。
すぐ後ろに辿り着いたのは良いが、未だに俺の存在に気付く気配がない。
少しむっとして、可能な限り強くジャーファルの耳元にふーっと風を吹き掛けた。
「へぁっ!?」
そう叫ぶのと同時に、ジャーファルは両耳をバッと両手で覆ってから思い切りこちら側へと顔を向けた。
「おはよう、ジャーファル」
何もしなかった様な笑顔で挨拶をすると、ジャーファルは諦めたかのように溜め息をついた。
「…おはようございます」
「どうした?」
「それが…その…」
特に深く考えず尋ねたのだが、ジャーファルはなぜたかすぐに言おうとしない。
「ほら、話してごらん?」
ジャーファルはこの言葉に弱い。
大抵はこう言うと答えてくれる。
ジャーファルがうう゛と項垂れているのを見ながら待っていると、ジャーファルはどうやら言うことを決心したようだった。
「……私が気に入ってる下着が見つからないんです」
とても小さな声で恥ずかしそうに言ったジャーファルの俯いている顔は、首まで真っ赤に染まっている。
「………それは由々しき事態だな」
「はい、大問題ですよ…」
あまり服に興味を持たないジャーファルが珍しく、しかも下着で気に入っているものが無くなるだなんて、俺としても大問題だ。
「まさか盗まれたとかじゃないだろうな…」
もしそれが本当だとしたら、俺は盗んだ奴を放っておく訳にはいかない。
ジャーファルがストーカー被害に合っている可能性もある。
顔も知らない、そもそもいるのかも分からない犯人に沸々と怒りが沸いてくるのを感じる。
「それが…」
「盗まれた心辺りがあるのか!?」
思わずジャーファルの肩をガッと掴むと、ジャーファルはビクッと肩を震わせた。
目が合ったときジャーファルは申し訳なさそうな顔をしていた。
「………今…貴方と会って分かったことがあったんです」
「な…何だ?」
「昨夜…その……し…したでしょう?」
「ん?そうだな?」
ちらりと下を見るとジャーファルの顔はまた真っ赤に染まっていた。
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すみません、飽きました
続きません(笑