□なんであたしが!!
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春です!桜満開です!そして、今日から高校一年生です!



あたし。坂田颯希は今、"銀魂高校"にいる。今日は入学式。遠目からでも先生たちが忙しそうに走り回っているのがわかる。

今の時刻は午前5時5分過ぎ。入学式のための登校にしては早すぎる時刻。なぜこんなにも早い時間に学校にいるかというとあたしが楽しみで早く登校したということでもなく、勿論、早く目が覚めてしまったから登校したということでもない。

その理由は数時間前にさかのぼる…



_____……


午前4時
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


『すぅ__…すぅ__…』


プルルルルル___…


『すぅ__…』


プルルルルル___…


『んぅ__…』


プルルルルル__…


『………るさい』


颯希は電話のうるさくなり響く着信音で目が覚めた。寝起きの目にはスマホの画面でさえまぶしくかんじる。


『うぐ…』


画面には"お父さん"と表示している


『?お父さん?』


颯希は布団から手をモゾモゾと出し、電話に出るのボタンを押し携帯を耳にあてる


『もしもし?』


〈お前、今すぐ来い〉


『はい?』


〈今すぐ来い〉


『国語教師のくせに文が成り立ってないぞ。主語を言いなさいよ』


〈あー、今すぐ学校に来い〉


『なんでこんな朝っぱらから学校に行かなきゃなんないのよ。あたしが行ったとして、あたしのこと見た人は入学式がものすごく楽しみだったんだなーって思うに決まってる!そんな恥かくようなまねできないわよ』


〈ばーさんが会いてェってうるせーんだ。俺はちゃんと寝起き悪いから無理だって言ったんだぜ?でも、連れてこねーと給料カットだって言われてよー…頼むわ。お前の生活費にも影響でてくるぜ?〉


『む…。…分かった分かった。今から行くから朝ごはん用意しといてよ』


〈じゃあ来たら職員室こいよー場所はてきとーにそこらへんにいる奴に教えてもらえ。んじゃ〉


『ちょ、プツ──プープー…』


切りやがった…普通自分の用事が終わったらすぐ切る?


『くわぁ…着替えるか…』


颯希は布団から出て着替えることにした。
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