ネガイ屋キラボシ堂

□第四話 切なきネガイ幼きオモイ
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感付けば溜め息を吐く鞠野

鞠野「…はぁ…またお兄様ですわね…」

肩を落としてぼやく鞠野

鞠野「いつまで私の邪魔をすれば気が済むのかしら…」

くるりと二人の方に体を向ける鞠野

鞠野「…と言うわけでっお迎えが来てしまいましたので私は帰りますわねv」

頷く輝音

輝音「…う、うん…」

にこやかに店を出て行く鞠野

鞠野「また来ますわっ」

きっぱりと言う夢人

夢人「一生来るな」

閉まる扉を見つめる輝音

輝音「…あの狼…蓮さんが寄越したんだろうね…」

興味なさそうに言う夢人

夢人「…だろうね」

木の根元で帽子を目深に被って蹲る蓮

蓮「…桃なんか死んじまえ…」

苦笑しながら蓮の帽子を無理矢理取り上げる桃

桃「…死ねはないだろ…ほらッ帽子の被り方変だぞ?」

帽子取り上げられて慌てる蓮

蓮「…やめッ!!」

蓮の姿を見て無言になる桃

桃「…………」

顔を真っ赤にして帽子を取り上げる蓮

蓮「…ッ!!」

蓮に生えた獣の耳を指差して笑う桃

桃「…ぷッはははッ!!いつ見ても笑えるなーーッ」

声のトーンを落とす蓮

蓮「桃…喧嘩売ってんだろ…」

笑うのを止めて無駄に爽やかな笑顔を作る


桃「いや、悪い悪い…うん。何だ?可愛いぞ」

怒鳴る蓮

蓮「褒め言葉じゃねぇええッ!!」

帽子を深く被って門に持たれ掛かる蓮

蓮「力を使ったら最低でも一日中この姿のままなんだぞッ」

軽く言う桃

桃「でも了承してくれたじゃないか」

怒る蓮

蓮「滝川もいないのにお前がきっちゃん所行ったら俺一人っつーマズイ状況になるだろッ!!」

きっぱりと言う桃

桃「マズかろーがマズくなかろーが鞠野が加賀谷 夢人の所に居るならば即座に連れて帰らなければならないだろッ」

遠い目をする蓮

蓮「あー…きっちゃんも可哀想に…」

深く被った帽子を見て吹き出す桃

桃「…………ぷ」

拳を作る蓮

蓮「…この状態の俺が一番可哀想デシタ…ッ!!」
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