押し花のしおり

□輝く星のような
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「……眠れないや…」
夜中、布団の中で一人呟く。
眠れるときは眠らなくてはいけないのに心が落ち着かなかった。
自分の金色の髪が異様に光って見える。

…外の風にあたってこよう…

部屋の皆を起こさないように僕は部屋を出た。



外に出るとこの時間なので人はいない。
辺りが暗く、星がよく見える。
僕は近くの階段に座り込み夜空を見上げた。
そこに、ひときわ強く輝いている星があった。
その星のそばには二つの星が負けじと輝いている。
「……あれは、エレンかな…」
僕は一番強く輝く星を指さして言った。
「その隣はミカサで、もう一つは…」

「…僕、だといいな…」
指をさしていた腕をゆっくり下ろす。

いつでも頭のすみにあった。
二人にはどうやっても追いつけない。
二人の服の袖の端っこを掴むことすら出来なかった。
だから、二人の足手まといではなかったと分かったとき凄く安堵した。
少しでも二人の役にたてていれるなら、それ以上望むことはない。
出来るならずっと3人で一緒にいたい。
しかし、僕は2人と肩を並べて歩いていけるだろうか。
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