押し花のしおり

□強いくせに、
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「ピット、行きます!」
かけ声とともに飛び出した。
日の光がとてもまぶしく感じる。
「今回はどんなミッションですか?」
僕は姿の見えないパルテナ様に問う。
「冥府軍のアジトらしきところをつぶしてもらいます。」
「アジト…ですか?アジトを見つけるなんてさすがパルテナ様です!」
僕はだんだん数の増えてきた敵を殲滅しながら頭の中に直接響く声に笑顔を見せる。
「それが…妙なんですよねー…」
いつもの自信ありげな声はどこへやら、とても不安げな声が返ってきた。
「なにがですか?」
僕が聞くと、パルテナ様はうーん…とうなってから、
「いつもなら探すのに相当苦労するんですが…今回はあっさり見つかったんです。」
「罠かもしれない…と?」
僕の言葉にパルテナ様の、えぇ…と不安に揺れた声が返ってきた。
「大丈夫です!罠でもなんでも乗り越えて見せますとも!」
僕がガッツポーズをしながら元気に答えると、ふふっと笑う声が聞こえた。
「そう言ってくれると思ってました!では、もうそろそろ着地します!」
「はい!」
目の前に見えてきた大きな塔のある浮き島に向かって降下し始めた。
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