◆白黒ワンダーデイズ◇

□◆T【黒、一人】
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「八谷ー、次の移動教室どこー?」


んなの、自分で覚えとけよカス。
なんて言ってやりたいけど、あえて言わない。言うだけ酸素の無駄使いだし。


「理科室。前回配られたワークシート使うから忘れんなよ?」

「さっすが八谷ッ!!サンキュッ!」



礼言いながら走り去るクラスメイトに手を振り、相手が見えなくなれば中指を立てる。


俺の日課。





「おいおい、黒羽お前腹黒いなぁwだからチビなんだぞ?」


気付けば後ろに爽やかな男前が立ってた。


「チビチビうるせーよ、浩平(コウヘイ)」

「くーたんちっちゃい子みたいで可愛いー♪」


爽やか男子・浩平の後ろについてケラケラ楽しそうに笑うコイツは吉乃(ヨシノ)。


二人とは中学時代から仲が良い。

コイツらの前では良い子ちゃんは演じない。演じても浩平にはすべて見透かされるから。



そういうわけで、いつも猫被ってる俺が唯一素で接する人間だったりする。


親にも猫被ってンのに不思議なモンだ。
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