◆白黒ワンダーデイズ◇
□◆U【白、独り】
1ページ/5ページ
「……と………。」
誰かの声がする。
「ちょ…と………さいよ…。」
肩を揺すられ首ががくんがくん前後左右する感覚に少しずつ意識が覚醒してくる。
「ちょっとってば!起きなさいよ、大丈夫?」
「…ん。」
薄目を開けるとサイドテールの女が心配そうに俺を見ていた。
空はいつのまにか赤く染まっている。もう、夕方か…。
「よかった、気が付いた?」
「あ、あぁ。ありがとうございます。」
まだ頭がぐわんぐわんしてるが、俺なりに精一杯猫を被った。
ん?ちょっと待て。何かがおかしい。
「俺、屋上の階段から落ち…て。あれ?」
なのに、俺が今いるのは見知らぬ公園。階段から落ちたなら保健室か病院にいるはずだ。
意味がわからない。
「あんた、何意味わかんないことを…。」
「そうだッ!浩平と吉乃に…。」
とりあえずあいつらに連絡をとってみようと携帯を取り出し開く。
しかし、携帯の左上には圏外の文字。