テニスの王子様
□ずっと一緒
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岳人side
「跡部ん家泊んの久し振りだなー」
「そうだな、ここのところ家の事で忙しかったからな」
「そ、そうだよな。跡部は家継ぐんだもんな…」
「…」
俺と跡部は付き合っている。
同じ男だけど、お互いに愛し合っていれば大丈夫だと思ってた。
…だけど、それだけじゃ駄目だって気付いちまった。
俺と跡部じゃ立場が違いすぎる。
跡部は跡部財閥の次期当主で、グループを継ぐ奴だ。
それに比べて俺はただの一般人。頭も良くないし、どっかの有名な家の子供でもない。俺が得意なのはテニスくらいで…そんな俺が、跡部と一緒にいて良いのか、悩む日々が続いている。
今はただ跡部といる事を楽しみたいのに、ふいに不安がよぎってしまう。
結局せっかくの泊まりなのにあまり楽しむ事ができず、気が付くと夜になっていた。
「そろそろ寝るか」
「あ、ああ…」
……
駄目だ、眠れねえ。
ベッドに入ってからもう30分以上経ってんのに、全く眠気が来ない。
隣ではもう跡部が寝息を立てている。
今はすげぇ幸せなんだよな。
でも、いつまでこうしてられるんだろう。
今はまだ跡部の隣にいられるけど、きっといつまでもこんな関係は続けられない…
跡部は家を継ぐんだから、男の俺と付き合ってるなんて事が周りにバレるわけにはいかない。