□日常の中の変化 2つめ
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あれから少しして山田サンとは仲良くなった…と思う





朝か一番には「おはよう」





お昼になったら話し合いも含めて四人で弁当を食べる




さり気なく山田サンの隣を確保するのも忘れない




山口は気づいてるのか気づいてないのか…それは謎だけど





結構話し合いは進んできて




とりあえずその日の野外炊飯は他のグループが作らないようなものにすると鈴木サンがうるさいので




パエリアを作ることになった




驚いたことに




山田サンが作れるらしい



『あ、私作れるよ?』とさも当然のように言われたときは驚きで思考停止になったくらい




あの、おっとりふわふわな山田サンがパエリアなんて凝ったモノ作れるとか…




相変わらず左右に揺れながらだったけど




結構話もできるようになった




そんなとき




気づいたこと





それは





山田サンは結構男子から人気があること





そして




山田サンは頼まれたら断れないタイプだということ




だから付き合ってと告白されて、しつこくされるといいよと言ってしまうのだとか





馬鹿でショ





いつもは鈴木さんが一緒に行って断ってるのだとか





「あ、あの!山田さん!」




また来た





彼女の隣を狙うやつ




『ふぉいふぉい』




お昼に買ってきたらしいパンをくわえたままの状態で返事する山田さん




行儀悪い…



困ったことに今は鈴木サンは職員室に呼ばれていない




山田サンはキョロキョロと不安そうに周りを見渡し、僕に目を合わせた





しまった




そう思った瞬間




『で、どうしたの??』




視線を戻してしまった





断りの手伝いさせられるかと思ったのに




彼女はそれから一切振り向かず男と一緒に出ていってしまった




「ツッキー…止めなくていいの?」




「うるさい、山口」



そんなの自分でわかってる





彼女は一瞬だけだったけど




僕を頼ろうとした




けれど、僕のとっさの拒否を汲み取ったのか





声には出さず出ていってしまった




最悪だ




こんなに、面倒事は嫌いという性格を恨んだことは初めてだ



このままでは




彼女の隣にあの知りもしない男がつくことになる
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