信じること、願うことー長編ー

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私、白川凛音は陰陽師の家に生まれ、一応それなりの実力を
持っている。
学校が終わればすぐに任務なので、結構疲れる。
そんなある日、学校が休みだった私は家でゆっくりしていたのだが
白川家の当主であるお父さんに任務を任され、嫌々ながらも出た。
ホラー嫌いな自分が悪霊退治や妖怪退治をするはどこかおかしい話だ。
まぁ妖怪は、身近な所に「鬼」の一族がいてその一族は
私の家「白川」に仕えているので慣れているが、やはり嫌いなものは嫌いだ。
「普通は現役のお父さんがやることだと思うけど・・・・」
そんなことを思いつつそこまで強くなかった悪霊を倒し、頼まれた任務は終わった。
まったく折角の休日を・・・、とか思いながら家に帰ろうとすると
ふと家の近くにある山で足を止めた。
「ここ・・・前にお父さんが」
この山どうやら妖怪がよくでているらしく人間は安易に近づかない
(物好き(オカルト好きとか)は知らないけど)所らしい。
私はなんとなく山を登ろうと思った。
いわゆる好奇心というやつだ。好奇心に駆られると例え嫌いなホラーでも
見てしまうそんな感じ(まぁ見て、後悔するのが大半のこと)

山を登り始めて大分経った頃だろうか、目の前に草原が見えてきた。
そこはとても広く、ここが山であることを忘れてしまいそうだった。
「広っ!・・・ここ本当に山の中なの?」
丁度いい陽が照り、適度な風が吹き本当に山の中なのか疑いたくなった。
ここまで来る間、全く妖怪の気配が感じ取れなかった。
はたしてここに本当に妖怪がいるのだろうか
そう思っていると、後ろからガサっという草を摩る音が聞こえた。
その音に驚き後ろを振り向くと、狐の尻尾と耳がある少年が立っていた。
(妖狐・・・・めったに姿を見せないのに)
尻尾と耳が髪と同じ水色をしていて、綺麗でどこか不思議な少年だと
思っていると、彼も私と同じく驚いた顔をしていたのだが
すぐに無表情になっていた。
「ね、ねぇ君」
話かけようとすると、彼はあっという間に見えなくなった。
追いかけようとも思ったが姿が見えず、それは消えたようにも思えた。
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