現代・室町

□裏SS
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尾鉢


「ぁっ、や……あッ!」

気持ちの悪い喘ぎ声が部屋に響く。
色街の遊び女のような、高く細い声が。
恥ずかしさを感じるよりも早く快感が押し寄せて来て、もう、何もわからなくなる。

揺さぶられる身体、合わさった所から響くいやらしい水音、二人分の吐息、自分の喘ぎ声、汗と精液が混ざった臭い、衣擦れの音。
その全てが気持ち悪い。

そしてまた、意図せずに声が押し出される。
吐きそうだ。

「っ、三郎」

唯一気持ち悪さを感じない声が聞こえた。
馬鹿みたいに喘ぎながら、やっと、何だよと返す。

「ごめんね」

こんな酷いことして。

何度も何度も繰り返しそう謝る。
今更だとか思わなくもないが、なんか、どうでも良い。
謝るくらいなら、早くこの気持ち悪さから解放させてはくれないだろうか。

心の中で呟いたそれが聞こえたかのように、律動が激しくなった。



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