カゲプロ
□キドの困惑事情
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俺、木戸つぼみにはささやかながら悩みがある。
というのも、これは今に始まったことではない。
「ねぇねぇマリーちゃん!こないだ書いてたセトカノ本できた?」
「できたよー!」
「見せて見せて―!…おおー、今回のはカノさん襲い受けかぁ。やっぱカノさんは襲い受けが王道だよね!」
「でしょでしょー!ちょっと今回は奮発しちゃったー」
メカクシ団の団員であるマリーとモモ。
この二人の行動、言動などに、キドは頭を悩ませていたのである。
この二人は、上の会話してからわかるように腐女子、というやつらしい。
俺からすれば未知の世界だが、どうやら男同士の恋愛を好む、まあ言ってみれば趣味のようなものだ。
「それでね、こないだはセトのほうからカノに…」
「えーーーっ!?それじゃカノセトだったっていうのー!?」
メカクシ団がにぎやかになるのはとてもありがたいことなのだが、セトやカノといった、妄想の対象にされてしまっている奴らにとってはたまったものじゃない。
セトは今この部屋にはいないが、ソファーに座ってくつろいでいたカノには丸聞こえだろう。
現に今も、部屋の隅で震えている。
かわいそうに、そんなつもりで今まで一緒にいたわけじゃないだろうが。
「おいお前ら、そろそろいい加減に…」
カノのことも気にかけて、キドが話に割って入ろうとした時、
「何の話してるんすか?」
別方向から入ってきた、空気の読めない声。
この声はまさか、マリーとモモの妄想の種にされているもう一人…セト…!?
まあ驚愕したっぽく言ってみたが、この口調はこいつしかいないだろうな。
俺だってたまにはおちゃらけてみたいんだよ。
「あ、セト。今ね、私が新しく描いたセトカノ本の話してたの」
ほら、マリーがそういって本を見せるが、セトは全く持ってわからない、といった顔をする。
そりゃそうだ。
「セト…カノ?なんすかそれ。俺も入ってるっすか?」
「入ってるよー!っていうか、セトさん攻めだよ!よかったね!」
そういうと、すぐに二人はそっちの世界に入り込んでしまった。
一人取り残されたセトは、とりあえずソファーに座ってみたようだ。
あきた\(^o^)/
っていうかキド目線のセトシンにするつもりが一向にならなかったという事件w
なんてこったい/(^O^)\