ヒトリノオトコノコ 〜第2章〜
□トウジツ
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決戦当日...。
-風雷神アジト-
「よし、じゃあ最終確認はこれで大丈夫か?」
いつもの会議室、ホワイトボードから振り返った先には以前の会議とほとんど変わらないメンバーが座っていた。
再三行われた会議も、これが最後となる。
「俺は大丈夫だよ。 室蘭の特徴はしっかり覚えた。」
今回、ウェストサイドガーディアンズ側のリーダーとなった悠乃は、自らの対戦相手であり、花鳥風月では自らと同じ立場にいる室蘭綺羅の情報をしっかりと頭に叩き込んでいた。
「ウチもええで。 な、まっつん?」
「せやな。 負けへんで〜!」
スカーフェイスの2トップである西野と松村も、自らの対戦相手である桜井と高山の情報はインプットされているようだ。
「よし、全員問題なさそうだな。 ...もう18時か。」
あの後、室蘭から各自19時に集合と書かれたメールが送られてきていたため、その時間潰しのために集まったメンバーも中にはいるであろう。
「それじゃあ、私はもう行くよ。」
「ああ。 負けるなよ、シブヤ。」
最初に席を立ったのは、風雷神のアジトから学校は少し離れた位置にあるシブヤであった。
彼女は任せとけ。といった自信に満ち溢れた表情で北大路のことを見返し、手を振りながら部屋を出て行った。
〜♪
北大路の携帯電話にメールが届いた。
「武蔵も今さっき家を出たみたいだ。」
蔵屋敷中前の倉庫で闘う九鬼は、最初からこの中には加わらず、学校からも近い自宅で待機していた。
「みんな頃合いか。 ほな、ウチらも行くか。」
「そうだね、おたべ。」
おたべ、ゲキカラ、学ラン、歌舞伎、尺の6人と悠乃も席を立ち、マジ女へと向かうことにした。
「もう行くのか、悠乃。」
「ああ。 ゲストを待たせるなんて有り得ないからな。」
「そうか、じゃあ勝っても負けても終わったらスカーフェイスのアジトで会おう。」
「勝つから心配すんなよ。 じゃあな、みんな。」
悠乃たちは、1度部屋に残るメンバーの顔を見てからマジ女へと向かった。