ヒトリノオトコノコ 〜第2章〜
□ハナシ
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「...あの2人をやったのを誰か追いかけ続けてたら、最終的にその室蘭綺羅にたどり着いたんだ...。」
「それ、本当なの...?」
「ああ。 2人が襲撃された日に、室蘭と野崎が西東京で目撃されてる。」
「室蘭と野崎が西東京に!?」
「そうだ。 あいつらは今、六本木を狙ってる。 だが、他の勢力に知られずに西東京を手中に収められたら...。」
「無駄な競合や争いもなく、戦力強化が出来るな...。」
「しかも、さっきも言った通り、今の俺たちには黄瀬さんや旧ラッパッパ、白石さんや橋本さんが引退して核である雷斗と風魔の2人きり動いてると言ってもおかしくはないだろう。」
「つまり、やつらが西東京を狙うのに今は...。」
「そう、絶好のタイミングだ。」
北大路の言葉は、明らかに核心にたどり着いていた。
「しかも、あの時はまだ悠乃だっていなかった。」
北大路は悠乃の肩をポンポンと叩きながら言った。
「本当に一瞬の隙を突かれた、って感じなんだね...。」
「その通りだよ、悠乃。」
「もし僕がアメリカに行ってなかったら...。」
悔しさのあまり、拳を強く握り締める。
「いや、もしお前がいたとしても3人ともやられただろうな。 だから、こっちとしてはお前が遅れて来たってほうが助かったよ。」
「.....。」
「友也も大人しくしてたお陰で問題なく普通に中学生やってるしな。」
「友也ねぇ...。」
瑠花は友也の名前を聞いて、ため息を吐いた。
「なんだ、どうかしたのか?」
「いちいち言わなくても分かるでしょ、シブヤの件だよ。」
「ああ、あいつか。」
「シブヤがどうかしたの...?」
「え?お前、聞いてないのか?」
「?」
悠乃はその話を知らないようで、キョトンとした表情で2人を見ていた。
「シブヤが、マジ女を裏切ってヤバ女に編入したんだよ。」
「え...?」
「しかも、休戦協定も破られて、今のマジ女は戦争真っ只中。 ったく、内側でも問題起きてんのに、お前らも大変だな。」
「そう... だったんだ...。」
「だから、私たちはお前がどうなるのかって思ってたんだよ。 ラッパッパにつくのか、珠理奈につくのか。 結局どうするんだ?」
「僕は... とりあえず、もう珠理奈たちに味方することはないと思う...。」
「じゃあ、ラッパッパに?」
「いや、今のラッパッパはよく分からないから、どっちにも...。」
「そっか。 まあ、あんたがそれでいいんならいいんじゃないの〜。」
「お前、相変わらず適当なやつだな。」
「うるさいな〜。」