ヒトリノオトコノコ 〜第2章〜

□ハナシ
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「頼みごと...?」


「そや。 シブヤがヤバクネに寝返ったってことは知っとるか?」


「はい...。」


「噂によると君とシブヤは仲良かったらしいやん。」


「まあ...。」


「そこでや。 君に今からヤバクネまで行ってもらって、シブヤに話を聞いてきてもらいたいんよ。」


「話って...?」


「まあ、なんで裏切ったのか、とか、なにが狙いなのか、とか、彼氏はいるか、とか。 些細なことならなんでもええ。 ウチとしては、あんまり闘いたくないからな。 なんでもええから彼女のことを知りたい。」


「そっか...。 久しぶりにシブヤに会いたかったし、行ってきますよ...。」


「頼んだで。 でも、無理はしないでな。 君のペースでええから。」


「うん...。 じゃあ、失礼します...。」


おたべたちは部室から出ていく悠乃を見送った。


「あいつでよかったのか?」


「ああ。 長く会ってない友達に会えばあの子もなにか変わるかも知れん。 それに、喧嘩の腕は全く落ちてないようやしな。」


「あの前田を倒したんだもんね...。」


「そういえば、ゲキカラも敦子には勝ってないもんな。」


「うん...。 悔しい...。」


「喧嘩はあんまりしちゃダメやで。」


「分かってる...! 優子さんと約束したから...!」


「その意気や。 ほな、この前途中までやったドリル終わらせよか〜...。」









「もしもし、友也...。 悠乃だけど、今って時間ある...?」


『大丈夫ですけど、どうかしましたか?』


「今からヤバクネに行こうと思ってるんだけど、一緒に来てくれないか?」


『いいですよ。 え? ああ、悠乃さんだよ。』


電話先から、友也が女の子と話してる声が聞こえてくる。


『そうそう、何日か前に日本に戻ってきたんだ。 今から一緒にヤバクネまで行くから、今日はもう帰るわ。 じゃあな。』


話し相手から、ああ、じゃあな。という声が聞こえた。


『すみません、電話の途中だったのに...。』


「いや、別にいいよ...。 こっちこそ無理言ってごめん...。」


『僕は大丈夫ですよ〜。 それより、どこで待ち合わせしますか?』
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